9月21日、アニエス・ビュザン連帯・保健大臣(Ministre des Solidarités et de la Santé)は、今年の猛暑での死者は1500人と発表しました。
2018年の猛暑による死者は1500人
ビュザン大臣は「この夏の猛暑による死者は1500人と推定され、中でも後期高齢者の死亡数が多かった」と述べるも、パリでも気温が40度を超える猛暑が続き、15000人~20000人の死者が出た2003年に比べると「10分の1」であると発表しました。大臣によると、この数字は「過去の一連の猛暑の年に比べ少なくなっている」とのことです。
確かに2015年には3000人死者が増え、やはり猛暑だった2006年には2000人死者が増えていますが、2016年は700人、2017年は400人未満の増加にとどまっています。
猛暑対策が成果を上げた
猛暑による死者増加を食い止めた要因は、「ひとえに各方面で行った猛暑対策による予防のおかげ」ですが、「それでも後期高齢者にとっては厳しかった」、と ビュザン大臣はコメントしています。
また、「病院も大きな混乱はなく、猛暑による来院者は全体の3~5%にとどまっているということは、医者や看護師などの病院関係者や自治体が、前もって対策をとっていた」と評価しました。 本日、大臣の下には今年の猛暑対策に尽力した医療関係者などがねぎらいのために召集されています。
地球温暖化による猛暑への対策は?
地球温暖化により、今後フランスでも猛暑時期が増えることが予想されます。これに関しては「今までとは違った対策、つまりヒートアイランド現象に陥りやすい都市部の構造を見直すことが必要」と大臣は述べています。
2018年の夏、史上2番目の猛暑
フランス気象局(Météo-France)によると、 2018年の夏はフランス史上2番目に暑かった年になります。平均気温も例年より2度上昇し、2003年の猛暑ほどではなかったにせよ、今年の7月24日から8月8日の間、特にフランス北東部は厳しい暑さに見舞われました。
執筆:マダム・カトウ
関連記事:フランス、猛暑で救急病院が悲鳴