22日(火)、パリで行われた複数の労働組合によるデモ行進で、暴徒化したおよそ200名が警察と衝突し、101人が逮捕される騒ぎとなりました。(写真はデモ行進参加者を警備する憲兵隊の様子。記事内容とは関係ありません。)
デモには16,000人以上が参加
この日、複数の労働組合が主体となっておこなわれたデモ行進には、およそ16,400人が参加しました。
今回このデモは、フランスの主な労働組合である、C.F.E/C.G.C(Confédération Française de l’Encadrement / Confédération Générale des Cadres 管理職総同盟)、C.F.T.C(Confédération Française des Travailleurs Chrétiens フランス・キリスト教労働者同盟)、C.G.T(Confédération Générale du Travail 労働者総同盟)、F.A.F.P(Fédération Autonome de la Fonction Publique 公務員自治連名)、C.G.T-F.O.(Confédération Générale du Travail-Force ouvrière 労働者総同盟=労働者の力派)、F.S.U(Fédération Syndicale Unitaire 統一労組連名)、SOLIDARES(連帯)が中心になっておこなわれました。
労働条件の改善などを求めて、共和国広場(la Place de la République)を起点として、バスティーユ(Bastille)広場を通り、ナシオン(Nation)広場まで行進しました。デモ行進そのものは荒れた様子もなく、通常通り行われました。
デモの影響でいくつかの施設は閉鎖
デモが平日に実施された影響を受け、学校や郵便局、病院などいくつかの施設が閉鎖されたり、公共交通機関が運休するなど、市民の生活に影響が出ました。
デモに便乗し暴徒化する人が現れる
デモ隊がナシオン広場に向かって行進している途中で、デモ隊とは別に、大勢の人物が12区にあるアラゴ(Arago)高校の敷地内に侵入する騒ぎとなりました。侵入した一団は警察によって退去させられ、高校は一時的に閉鎖されました。
また、デモに便乗して、覆面やフードで顔を隠すなどした200名を超える若者たちが現れ、商店のウィンドーやバス停などを破壊、火を放ったりスプレーで壁などに落書き、警官隊に向かって石などを投げつける等の暴力行為をおこいました。警察ともみ合いになり、一時現場は騒然となりました。
暴動当時の様子(RT Franceより)
警官は催涙ガスや放水によって暴徒たちに対応しましたが、一連の暴動によって、警官2名を含む8名が軽傷を負いました。
100名以上が逮捕される騒動に
暴動は夕方遅くには沈静化し、最終的に101名が逮捕されました。このうち、20名は暴力行為と麻薬所持によって逮捕されています。
今回の暴動で、パリ市内のバス停数か所が完全に破壊され、被害は広範囲に渡っているため、復旧には多くの時間と費用が掛かるものと見られます。復旧には税金が投入されるため、今回の暴徒たちの傍若無人な行いに不満の声も上がっています。
5月1日のメーデーからフランス各地では暴動が頻発しています。治安が不安定な状態がしばらく続くことが予想されます。パリに渡航される方、また滞在中の方は充分にお気を付けください。
執筆:Daisuke