2018年ワールドカップ、フランス代表選抜「補欠に不満で辞退」で大スキャンダル

2018.05.24

 

WORLDCUP2018

5月15日、サッカーフランス代表監督ディディエ・デシャン(Didier Deschamps)氏によって、6月14日からロシアで開催されるサッカーワールドカップのフランス代表メンバーが発表されました。しかし昨日、ミッドフィルダー(MF)で補欠に選ばれたパリサンジェルマン(PSG)のラビオ選手が、参加辞退を表明し、マスコミで騒がれています。

 

フランス代表メンバー発表するも補欠に不服

若干23歳、パリサンジェルマン(PSG)で活躍するアドリアン・ラビオ(Adrien Rabiot)選手は、今シーズンPSGでもフル出場で活躍、また2016年からフランス代表として試合に6回出場しています。今回はミッドフィルダーとして補欠で選抜されましたが、補欠選抜を不服とし、監督宛のメールで辞退を表明しました。

 

直近ではアネルカ選手が出場辞退

2002年のワールドカップで、当時23歳でマンチェスターシティーで活躍中だった二コラ・アネルカ(Nicolas Anelka)選手も、補欠で呼ばれたものの出場を辞退しています。

 

デシャン監督「大きな過ち」

1998年フランスで開催されたワールドカップ優勝経験をもち、2012年から現在までサッカーフランス代表の監督を務めるデシャン氏は、代表選手にはプレイヤーとしての資質のみならず、国を代表する選手としてふさわしい態度を厳しく求めることで有名です。

ラビオ選手の辞退を受けた記者会見で、デシャン監督は驚きを隠せない表情で、「23歳でまだ若いラビオ選手が、補欠選抜に大変がっかりしたことは理解する」ものの、「トップの世界は狭き門、フランス代表というのはすべてを超越し、そこには個人の気持ちを汲みいれる場所はない」と、淡々と語りました。

 

2010年ワールドカップ南ア大会のトラウマ

2010年南アフリカで開催されたワールドカップでは、当時の監督との意見の相違から、当時の選手たちが「ストライキ」と称して練習をボイコットしたことが大きく報道されました。世界中にフランスの恥をさらしたことが、今でも多くのフランス国民のトラウマになってるようです。

フランス中が騒然となったこの事件の後、フランスサッカー協会は代表選手に対し、国の代表らしい態度や品格も求めるようになりました。2012年にデシャン監督が選ばれた背景にも、選手に対して「ワールドカップ優勝時のキャプテン」経験者であるほか、選手に「厳しい」「トップダウン」であることが評価されたと言われています。

 

辞退にセカンドチャンスはあるのか?

「今後一切ラビオ選手をフランス代表に選抜することはないか?」との質問には、「自分からこういった決意をしたことによって、大きな過ちを犯したと思うが、ラビオ選手がこの経験から大人になることを願っている」と語り、「私は選抜辞退者に対し、今後どういう立場をとるかは決めていない」と、今後のことに関しては言葉を濁しています。

しかし、過去の例として、2016年にスキャンダルで代表に選ばれなかったカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)選手は、レアルマドリードで活躍し、フランスサッカー史上得点王として有名ですが、今回も代表選抜からはずされ、一部のファンの失望を買っています。
「デシャン監督に一度はずされると、二度と選ばれない」と、一部のマスコミで報道されています。

 

政府も反応

フランス国務長官で政府報道官のバンジャマン・グリヴォー(Benjamin Griveaux)はインタヴューに答え、「国に貢献することができる名誉ある召集には、どんな役割だとしても、出頭するのが当然」と答えています。

 

失望と怒りのファン

ラビオ選手の決断に、「甘やかされた子供」「エゴイスト」「うぬぼれ」と批判的な発言や報道が多いなか、「自分の決断を受け入れ毅然としていればいい」という声も上がっています。
3週間後に控えたワールドカップ、フランスの世論は早くもスキャンダルで騒然としてきました。

執筆:マダム・カトウ

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