フランス語で会話する時、気が付いたらいつも「Oui」しか言っていなかった!
そんな経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
今回は、会話をする時に「Oui」と同じような意味だけど少し違う、そして、会話の幅がぐっと広がる表現をご紹介します。
Oui の持つ性質を理解しよう
先ずは、日本語での「はい」とフランス語での「Oui」の違いについて確認しておきましょう。
日本語で会話をする時に言う「はい」は、肯定の返事の他に、「あなたの話を聞いていますよ」という、相槌の意味でつかうことが多いのに対して、フランス語で「Oui」という時は、どちらかというと
「あなたの意見に同意します」
「あなたが言ったことを承諾・了解しました」
という意味が強くなります。
勿論、日本語の「はい」と同じように、相槌として「Oui」を使うこともあります。
日本語に訳すと「はい」になってしまうので、日本語を母語とする私たちは、フランス語で会話をする時にどうしても「Oui」を連発してしまう傾向にあります。日本語と同じ感覚で「Oui」を使っていると、「承諾した」「同意した」と誤解を与えることがあるため、使い過ぎには注意が必要です。
Oui 以外の表現を使ってみよう
では、そんな Oui の代わりに使える他の表現には一体どのようなものがあるでしょうか。返答の種類別に確認してみましょう。
そうです、それです
‐C’est ça. そうです。
‐C’est cela. そうです。(C’est ça より上品な言い方です)
‐Voilà. そうだよ。 そういうことだよ。
相手が言ったことを肯定するときに使える表現で、「Oui」と一緒に使うことで「はい、そうです」と強調することができます。
フランス映画「Le Père Noel est une Ordure(邦題:サンタクロースはゲス野郎)」で、ティエリー・レルミットが何度も言う「C’est cela, oui」はフランス人なら誰もが知っている有名なフレーズです。返事の時に「C’est cela oui oui oui…」というと、必ず喜んでくれる魔法の言葉です。
その通り
‐Exactement ! その通り!
‐En effet. その通り。
‐Effectivement. その通り。(強く肯定する時)
その意味の通り、「その通り!」と言いたいときに使ってみましょう。はっきりと肯定したいときや、「そうそう!」「そういうことです!」と言う時に使う表現です。
もちろん
‐Sûrement ! もちろん!
‐Sûr ! もちろん!
‐Bien sûr ! もちろん!確かに!
‐Bien sûr que oui. もちろんそうです。
もちろんだとも!と言いたい時には、この sûr が含まれた表現を使いましょう。形容詞 sûr/e には、「~を確信している」「確かな」という意味があります。
その他の返事も使ってみよう
「はい」だけではなく、その他の表現も使ってみましょう。
‐Bah oui / Ben oui まあね。(親しい間柄のみ)
‐Pas sûr. さあ、どうかな
‐Justement ! だからこそ!
Pas sûr.
「確かではない」「確信はしていない」という意味で、「うーん、どうかな」「さて、どうだろうね」という時に使います。「はい」でも「いいえ」でもない時に使える表現です。
Justement !
どういう時に使うかというと、
「僕、泳げないからプールにはいかないよ」
「だからこそ!(Justement !)(プールに行って泳ぐ練習をしなきゃ!)」
という具合に使います。使う時に勇気がいる表現ですが、もし友人が弱気になって何かするのをためらっていたら「だからこそ!」と言ってみましょう。
最後に
ただ「Oui」と返事するより、「Voilà そういうこと!」と言ってみるだけで、ぐっと表現の幅が広がったと思いませんか?
最初は慣れない表現を使うのは勇気がいるかもしれません。でも、一度使ってしまえば、目の前がパァっと開けたように色んな表現で返事をしてみたくなるはずです。
執筆:Daisuke