21日(日)、現地の複数のメディアは、フランスは2025年万国博覧会(以下、万博)誘致の立候補を辞退する可能性があると報道しました。
報道によると、エドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相が万博誘致を進める国の組織「Expofrance 2025」のパスカル・ラミー(Pascal Lamy)会長に向けて送った公式の書簡で、「2025年の万博誘致の立候補を辞退することに決めた」と述べた、ということです。
フィリップ首相はこの中で、万博計画の構造的な弱点を指摘し、財政リスクや追加の支出、民間企業の投資が不足していることなどをあげ、将来における財政再建へのリスクは避けなければならない、と述べたとされています。
フランスの万博計画では、パリから南西約19キロの郊外にある大規模な農業地帯のサクレー(Saclay)を候補地にしていて、3500万人~4000万人、最大で6500万の来場者を見込んでいます。
2015年にイタリアのミラノで開催された万博では、目標としていた2000万人の来場者を達成したにも関わらず、財政収入は4億5000万ユーロ(およそ600億円、1ユーロ:135円計算)~13億ユーロ(1760億円)にとどまっているため、フィリップ首相は財政的に大きなリスクを抱えている、と述べているそうです。
実際にフランスが立候補を辞退した場合、大阪(日本)、エカテリンブルク(ロシア)、バクー(アゼルバイジャン)の3都市が候補地として残り、今年の11月15日に開催地が発表されます。万博は2025年5月1日~10月31日で開催されます。
執筆:Daisuke