フランス語でスムーズに会話をするにはどうすればいいのか、「会話術」をどう身につければいいかを考えていくシリーズ。前回は、私たちが文法を勉強する前から言葉を話せるのは、小さいうちから重ねてきたトレーニングの成果だとお話ししました。
私たちは日本語をどう覚えてきたのか
では、私たちは実際にどのようなトレーニングをしてきたのでしょうか。知らないうちに繰り返し行ってきたトレーニング。どうやら、タイムマシンに乗って生まれた頃にさかのぼって、言葉を話すようになるまでの課程を見ていく必要がありそうです。
言葉の刺激を浴びる赤ちゃん期
私たちはこの世に生まれてきたその瞬間から、たくさんの刺激にさらされます。視覚・嗅覚・聴覚・触覚・味覚など、体じゅうの感覚器官を使い、全身で外の世界を学んでいきます。この時、私たちの脳は急激な勢いで発達していきます。
また、たとえ声が聞こえていなくても、目が見えていなくても、両親は絶えず私たちに話しかけます。繰り返し繰り返し、愛情をもって私たちに同じことを言って聞かせます。
言葉に反応する乳児期
このころになると、私たちはさまざまなものに興味を示すようになり、言葉にも反応しはじめます。少しずつ言葉を理解し、発音しやすい「だーだー」や「ばーばー」という言葉を発するようになります。
私たちの両親は、私たちが覚えるまで何度となく、そして根気よく同じ言葉を繰り返します。
言葉の意味は分からなくても、両親が「どのような時にその言葉を言っているのか」「この言葉を聞いたら何をするのか」を頭と体、両方を使って覚えていきます。「バイバイ」と聞いたら手を振るようになるのもそうですね。
言葉の意味を知る幼児期
かなりすっ飛ばしますが、乳児期から幼児期までの間に、私たちは劇的な変化を成し遂げます。言葉には「意味がある」と言うことを学ぶのです。
これまでは、気持ちを伝えるときは、「笑う」「怒る」「泣く」「不機嫌になる」など、感情を直に表現していました。しかしこの頃になると、私たちは次第に言葉を用いて意思を伝え始めます。
「〇〇がしたい」「〇〇は嫌だ」「おしっこ」「僕は〇〇だ」「私は〇〇よ」。
「言葉」という表現手段を手に入れることによって、私たちの周りの世界は爆発的な勢いで広がっていくのです。
友達と遊ぶことで、いろんな言葉を覚える
しばらくたつと同年代や少し年上の子たちと一緒に遊ぶようになり、社会性を学び始めます。そして「関係」を学びます。その中でより複雑な言葉を覚えるようになっていきます。
それぞれ育ってきた環境や自分とは考え方の違う人と出会うことによって、小さな文化交流を繰り返し行います。違う意見を戦わせはじめ、自分の意見を相手にどうに伝えればいいのかを学習するのです。
次回、さらに掘り下げます
ここまで当たり前のようなことを書いてきましたが、これがフランス語会話術のトレーニングと一体どう関係しているのか。次回さらに掘り下げてみたいと思います。
執筆 Daisuke