フランス語でスムーズに会話をするための「会話術」をどう身につければいいかを考えていくシリーズ。前回は赤ちゃんから小学校に入学するまで、私たちがどのような過程を経て言葉を話せるようになったのかを大まかに振り返りました。
その乳幼児期の成長過程と、私たちがフランス語でスムーズに会話できるようになることと、どのような関係があるのでしょうか。
赤ちゃんの成長と、会話術習得の関係
前回も触れましたが、私たちがまだ言葉を認識する前の赤ちゃんの時、理解していようがいまいが両親は私たちにしきりに話しかけます。
なぜでしょうか? わが子に話しかけたいという思いのほかにあるのは何でしょうか?
それは脳と耳を鍛えるためです。なにを意味しているのかわからなくても、日本語の響きを叩き込むためです。
ラジオを聞こう
私たちが語学の勉強をする時、よく耳にする言葉があります。
「ラジオを聞きなさい」
意味のわからない外国語のラジオを聞く。それは成長してしまった私たちには、つまらないことかもしれません。無駄な時間を過ごしているように感じることもあるでしょう。
それは、私たちがすでに「ある言語」を話すことができ、さらには「時間を有意義に過ごす」という知恵をつけてしまったからかもしれません。
しかし本当に無駄なことかどうか、今判断する必要はないのです。言い方を変えれば、それを決めるのは今の私たちではないのです。 将来さらに語学の勉強を進めていって、そこで初めて「あれは役に立った」「あれは無駄だった」と判断できるのです。
脳はラジオと奮闘している
ラジオには視覚的情報が一切ありません。私たちの体は不思議なもので、足りないものは他で補おうとするのです。
意味がわからない、ただ聞き流しているだけと思っているラジオでも、耳や脳は懸命にその「音だけの情報」を処理しようと奮闘しています。
私たちの耳や脳の中では、会話術習得のための下準備が「情報処理班」によって着々と行われているのです。
たとえ一日に10分や20分だけでも、今勉強している言語に耳を浸すというのは、今からでもすぐに出来るトレーニング方法のひとつです。
次回もお楽しみに!
執筆 Daisuke