フランスでは、メトロもSNCF（国鉄）も、とにかく電車がよく遅れます。パリのメトロでは、スリに注意を呼びかけるアナウンスや、工事による駅閉鎖のアナウンスなどは日本語も含めた数カ国語で放送されていますが、事故による電車の遅延など緊急性があるものは、フランス語のみの放送であることがほとんどです。
今回は、このようなときに状況を把握して問題を回避するために役立つ情報をご紹介します。
知っておきたい掲示板の表示
パリのメトロの駅には電光掲示板で、メトロとRERと呼ばれる郊外高速鉄道の運行状況が常に表示されています。何か問題がある場合は、その路線に関連する番号もしくはアルファベットが四角で囲まれ、詳しい状況も表示されるようになっています。
SNCFの駅の掲示板には、電車番号、行き先、出発時間などが表示されています。駅に到着したら、まず Informations もしくはObservations の欄に以下の表示がないかチェックしましょう。
Retardé・・・出発が遅延します（そのあとに遅延予定時間が表示されていることもあります）
Supprimé もしくは Annulé・・・電車がキャンセルになります
尚、TGVのような座席指定の電車がキャンセルになった場合には、すぐにSNCFの窓口へ行って、代わりのチケットを入手する必要があります。
アナウンスを理解できれば、リカバリーもしやすい！
２分ほどの遅延でも謝罪のアナウンスがある日本とは違って、５〜10分の遅延はなんの放送もなく、のろのろ運転やしばし停車ということがよくあります。しかし時には、駅でもない場所でしばらく停車する際に、このような放送が聞こえてくることがあります。
Le train s’arrête en pleine voie. Pour votre sécurité, veuillez ne pas tenter l’ouverture des portes.
電車は線路に停車中です。お客様の安全上、ドアを開くような行為はおやめください。
このような状況では、静かに運転再開をお待ちください。
また、ホームでメトロを待っていると、次のような放送が聞こえてくることもあります。
La ligne 1 est très perturbé à cause d’un colis suspect.
１号線は不審物により運行が非常に乱れております。
フランスでは持ち主のわからないバッグやスーツケースなどが車内やホームで発見された場合、テロ対策として爆弾処理班が出動し不審物を撤去します。処理作業中、駅は閉鎖になり電車は運行停止となってしまいますので、みなさんも忘れ物にはくれぐれもお気をつけください。
La ligne 1 est interrompu actuellement à cause du problème de signalisation.
１号線は信号故障により現在運休しております
”à cause du” のあとの原因は、車内に具合が悪くなった人が出たり、電車の電気系統の故障だったりと様々な内容がありますが、interrompu （運休中）や perturbé （ダイヤ乱れ中）の単語が出てきたら、基本的に復旧までに時間がかかることが多いので、迂回ルートを探したほうが賢明です。
電車のストライキ
フランスでは、ストライキが理由で電車が全面運休になったり、間引き運転になったりすることが時々あります。ストライキは、フランス語で grève ですが、この単語を使わずに mouvement social と表現することもあります。
ストライキがある場合には、前日の時点でストライキの日の運行予定詳細が発表されますので、ニュースやインターネットなどで情報収集することが重要です。路線によっては、通勤時間帯のみの運転というようなパターンもありますので、その場合は、何時から何時までを通勤時間帯としているのかも合わせて確認することをお忘れなく！
まとめ
フランスでは、電車の遅延や運休は珍しいことではありません。夏の観光シーズン真っただ中に工事のために１ヶ月以上運休する、というようなこともありえますので、フランスに訪れる際は十分にご注意くださいね。
執筆：YUBO
