フランスの夏の風物詩とも言えるツール・ド・フランスは世界的に有名な自転車の大会です。フランス人はどのようにこのイベントを楽しんでいるのでしょうか。私が実際に大会を観戦したときのエピソードを踏まえ、ツール・ド・フランスの楽しみ方や2022年の見どころも紹介します。
ツール・ド・フランスの家での楽しみ方
フランス人にとってツール・ド・フランスのイベントは、日本の甲子園または箱根駅伝に似ているなぁと私は感じています。各家庭のお父さんがソファでビールを飲みながら大会を観る、というのがフランスではよくある光景です。
あるいは、移動の車中でラジオ中継を聞くなど、ツール・ド・フランス（以下ツールに省略）はフランス人の生活にすっかり溶け込んでいます。
フランス都市の景色を楽しめる！
スポーツ観戦をしない人でも、サイクリングコースとして映るさまざまなフランス都市の景色を楽しみにしている人もいます。バカンスで訪れたことがある場所や、ゆかりの地がコースに入っていれば興奮気味にはしゃいでいます。
ルールがわからなくても熱戦に夢中！
ル―ルはよくわからなくても、テレビを大会の中継チャンネルに合わせ風景を堪能しながら、選手たちの熱い戦いに声援を送るのがフランス流の家での楽しみ方です。
サイクリング愛好者が多いフランスでは、週末になると選手と同じようなユニフォームを着た集団が田舎道を走っています。リタイヤ世代の男女のツーリンググループもかなりいて、老若男女に親しまれていることがわかります。
現地で観たい！ツール観戦の楽しみ方
私も過去に２度ほど、目の前でツール観戦をしたことがあります。とても楽しかったので、そのときのツール観戦をレポートします。
入場料は不要！ゴール付近は場所取り必要！
実際に観戦できるのもツールの魅力です。他のスポーツ観戦と違い、一般道や山道を走るので入場料は不要で気軽に楽しむことができます。
ゴール付近の場所は混雑するため、かなり早めに行って場所取りをしておく必要があると思います。しかし、コースの途中の道はさほど混み合っていないのでそんなに心配はいりません。
キャラバンから投げられる景品をキャッチ！
フランス人達が楽しみにしているのが、キャラバンと呼ばれる大会スポンサーの宣伝カーです。選手達が通過する予定時刻より１時間程前にこのキャラバンがやって来ます。そして音楽と共にこの車からいろいろな景品が投げられるので、それをキャッチするのが子どもも大人も大好きです。
景品はスポンサー提供のミニペットボトル、キャップ、Ｔシャツ、キーホルダーなどさまざま。うまくキャッチできたら早速そのキャップをかぶってサポーターに変身！一緒になってイベントを盛り上げることができるのです。
待ち時間はまるでピクニック！
選手たちはものすごいスピードで駆け抜けていき、自分の目の前を通過するのは本当に一瞬です。フランス人達は通過時間の２時間ほど前から簡易椅子を持ち込み、ピクニック気分で飲んだり食べたりしなが待ち時間を楽しみます。
そしてキャラバンが来たらアピールして景品をゲット。そこでサポーター姿に変身し、選手たちが通過するときにエネルギーを一気に発散するかのように熱い声援を送ります。そして終わったらさっさと帰るというのがフランス人の楽しみ方なのです。
ツールの大会を支える人たち
何と言っても選手達の存在なくしてこの競技は成り立ちません！サングラスやヘルメットも着用していることから１人１人の選手の顔が見えにくいのですが、多くはいろいろな国籍の選手が集まったチームとなっています。団体で走っており、数は少ないですが日本人選手もいるのでつい応援したくなります。
また選手達の自転車をメンテナンスする人達、食事管理をする専属シェフは大きなトレーラーで一緒に移動しています。このトレーラーは、どこでも調理ができる機能的なキッチンが整備。また一般道を走るため、安全を守る警備隊も大会期間は一緒に移動しているそうです。
勝敗を競うというより、皆でこの大会を盛り上げようとする気迫が感じられます。フランスの由緒ある自転車の大会ではありますが、選手をはじめ関わる人たちが世界中からやってくるのです。いろいろな言語が飛び交い国際的な雰囲気が漂っています。
2022年のツールの見どころは？
2022年のツールのスタートは大会初のデンマークから出発となります。そしてツールド・フランス・ファムという女性部門も復活するそう。これらもまた新しいツールの魅力が発見できるポイントとして注目です！
まとめ
フランス人達も詳しくルールを知っている人は少ないかもしれません。しかし、それぞれツールのイベントを思い切り楽しんでいます。ぜひ皆さんも、今年の夏はツール観戦を楽しんでみてくださいね。
■ツールに興味を持たれた方は、FRANCE365内の記事をぜひ読んでみてくださいね。
「ツール・ド・フランス2021 ６月26日よりスタート」
「ツール・ド・フランス 来年のスタート予定地コロナ禍で変更へ 今月29日スタート」
執筆YUKO
