食材を使った表現を考えてみると、日本語では「大根役者」や「もやしっ子」という言葉がすぐに思い浮かびます。フランスでは、野菜よりどちらかというとフルーツを使った表現が多くあります。今回は、知っておくとフランス語の日常会話がもっと楽しめる、フルーツを使ったユニークな表現を紹介します。
お手頃価格でおいしいフランスのフルーツ
フランスに住み始めて驚いたのは、フルーツがお手ごろ価格で、とってもおいしい!ということです。マルシェや八百屋さんに行くと山盛りのりんごや梨が常連顔をして置いてあり、春を過ぎれば大きなスイカやメロンがお目見えします。
フランス人にとってフルーツは、野菜と同じく普段から食べている身近な食材の一つです。日本のように新種開発に力は入れていないようで、毎年お馴染みのフルーツが出てくるという環境です。ちなみにフランスの友人は、日本でメロンが木箱に入って売られているのを見てびっくりしたそうです。
よく使われる!フルーツを使った表現5選!
・りんご une pomme
りんごは、フランス人の赤ちゃんが最初に口にするフルーツといっても大げさではありません。離乳食ではりんごを加熱したコンポートは定番です。また、そのまま切っておやつにしたり、タルトにしたり、誰からも愛されるフルーツです。
tomber dans les pommes 気を失う
J’étais si épuisé que je suis tombé dans les pommes.
私はあまりにも疲れていて気を失った。
・もも une pêche
暑い時期は白桃、黄桃と出回り甘くてジューシーなもも。フランスでは、旬の季節に大量に買う家庭が多いです。そのままフレッシュで楽しんだ後は、タルトのトッピングフルーツやフレッシュヨーグルトに乗せたりして頂きます。
avoir la pêche 元気がいいこと、エネルギーに満ち溢れている状態
J’ai la pêche aujourd’hui. 今日は、調子がいいんだ。
友達や家族にも「あなた、元気だね!」という風に使うこともできます。
・いちご une fraise
いちごに関していうと、日本の品種改良されたいちごはレベルが高いと感じます。フランスのいちごもそれなりにおいしいのですが、あくまでも”素朴な味わい”にとどまっています。
フランス人が好むいちごの食べ方は、洗って食べやすい大きさにカットしたいちごをシロップや砂糖で絡め、さらにホイップクリームのたっぷりがけ!手ごろな値段で手に入るからこそ、ダイナミックな食べ方ができるのかもしれません。
ramener sa fraise でしゃばる、口出しする
Il ramène sa fraise ! 彼はいつも口を挟んでくるね!
いちごを使った表現なユニークですね。この表現で使われるいちごは、頭や顔を意味しており、砕けた表現ですが会話に登場します。いちごの粒が鼻のぽつぽつとした黒ずみに似ているので、いちごが使われるという一説もあります。批判的な表現になる所を、いちごを登場させることによってウイットに富んだ言い回しにしています。
・梨 une poire
フランスで梨といえば、日本でいうラ・フランスが一般的です。日本の梨は”NASHI”と表記され売られています。フランスでは寒い季節に梨を頂きます。濃厚な甘さを楽しめるので、カットしてフレッシュなまま頂くのがフランス人のおすすめの食べ方です。
couper la poire en deux 妥協する、歩み寄る
Toi, tu veux aller au cinéma lundi et moi, mercredi. Alors je te propose qu’on coupe la poire en deux : on y va mardi !
君は月曜日に映画に行きたい、僕は水曜日がいい。そこでお互いに歩み寄って火曜日に行こう!
・プルーン une prune
夏が近づくと、フランスの店先ではプルーンが売られるようになります。口に入れると甘さとみずみずしさが広がり、とてもおいしいです。紫色のものが定番ですが、黄緑のプルーンもおすすめです。
以前、友人宅の持ち寄りパーティーに参加したとき、庭で採れたプルーンを使った自家製タルトを出してくれましたが、それはもう感激のおいしさでした。
prendre une prune 違反する、罰金を払う
Zut, j’ai pris une prune ! Pourtant je me suis bien garée.
あー、罰金を払う羽目になったわ。きちんと駐車をしたのに。
まとめ
フルーツを使ったフランス語の表現はどこかおしゃれで、不思議なおもしろさがありますね。言葉選びにもセンスの良さをかんじます。身近な食材としてフランス人に親しまれ、なおかつ会話にも登場するフルーツ。フランスへ行く機会がありましたら、ぜひマルシェでフルーツを買って食べてみてください。そのおいしさにびっくりしますよ。
執筆 YUKO