12月13日（火）、来年１月１日から18歳〜25歳の若者を対象に、コンドームが無料になります。マクロン大統領は、出席した青少年の健康に関する評議会で発表し、「予防による若者の健康維持がさらに進められる」と評価しています。
18歳〜25歳までの男女対象に、コンドームが薬局で無料
年齢に関係なく、コンドームの購入への健康保険適用はこれまでも存在しています。
保険が適用されるのは「エデン」（Eden）と「ソルテ・クヴェール」（”Sortez couverts !”）の２つのブランドで、フランスの国民健康保険で40％、相互保険で（加入している場合）残りの60％がカバーされていました。
今回の改正により、来年１月より18歳〜25歳までの若者はコンドームを薬局で無料で手に入れることができるようになります。
2022年、女性の避妊「医師の処方で無料」を25歳までに拡大
フランスではこれまでも、未成年の望まない妊娠の回避、性感染症予防などの対策を強化してきました。
すでに15歳以上18歳未満の未成年の女子を対象に、経口避妊薬（ピル）や一部の避妊具、処方のための診察料や検査料が国民健康保険で100％カバーされていました。
2021年９月の改正で、当時のヴェラン保健相（Olivier Véran）は、対象年齢を25歳以下の女性に変更し、さらに女性用の全ての避妊具を健康保険で全額負担を発表し、2022年１月から施行されています。
しかしながら、若い女性の中には経口避妊薬（ピル）の身体への影響を懸念する人も多く、また無料にするには医師の受診が必要だったことに抵抗がある人も多く、今回の改正により処方箋なしで薬局での受け取りが可能になった事は歓迎されます。
性感染症検査へのアクセスを容易に
健康保険局の予算案には、今後対象者を全ての女性に広げ、医師の処方箋なしの緊急経口避妊ピル（効果が数時間から数日で現れる）の無料化を盛り込んでいます。
また、全ての女性を対象に一部の性感染症の処方箋なしの検査を可能にし、25歳以下の女子については無料化することが検討されています。
フランスの性教育「遅れている」、マクロン大統領
マクロン大統領は、今月８日に出席した青少年の健康に関する評議会における演説の中で、「青少年の性の健康は重要な問題」とし、コンドームの無償化にとどまらず、子宮頸がんなどがん発生の要因の一つとされるヒトパピローマウイルス（ＨＰＶ）予防ワクチン接種などについても触れています。
性感染症とがんとの関連性は一般的に知られておらず、予防ワクチンを実施するには専門家を交え、まずは「国民への啓蒙が必要」との見解を示しました。
フランスの青少年に対する性教育に関して意見を求められたマクロン大統領は、「現実は理論と大幅にかけ離れて」おり「学校教師への研修を行い、生徒たちへの啓蒙を再強化しなくてはならない」と述べています。
執筆：マダム・カトウ
