フランス猛暑 西部では42度、パリ鉄道・メトロは速度制限、ジロンドでは山火事

2022.07.21

フランス 猛暑

7月18日(月)、フランス各地で記録的な猛暑となり、西部を中心とする63箇所において、数十年ぶりに最高気温を記録しました。国鉄SNCFや各地の地下鉄は、線路などの保護のために速度を落として運行し、バカンスシーズンで鉄道を利用する多くの旅客に影響がでました。

 

過去最高気温を続々更新

フランス気象局 (Météo-France)によると、18日に過去最高気温を記録した地点は63箇所にのぼるといいます。

とくにフランス西部では、これまでの記録より4度近く高い気温が観測されました。

42度超え

例えばブレスト(Brest)では、過去最高気温が1949年7月12日の35.2度でしたが、この度39.3度を観測しました。

音楽祭で有名なナント(Nantes)では42度、リゾート地ビスカロッス (Biscarrosse)では42.6度となり、2019年7月に南仏ヴェラルグ(Vérargues)での最高気温46度にせまる記録でした。

ノルマンディー地方のラ・アーグ(la Hague)では夜3時でも32.8度と気温が下がらず、フランスでは珍しい「熱帯夜」となりました。

パリ14区のモンスリ公園(Parc Montsouris)でも2019年に記録された42.6度にせまる40.5度が観測され、猛暑は局地的なものではなかったことがわかります。

一方19日夜には南西部を中心に大雨となり、猛暑の勢いは少し落ち着いたようです。とはいえ東部やパリ近郊では19日、20日も40度近い「猛暑日」となりました。

 

国鉄やメトロは速度制限

猛暑の影響は、バカンスシーズン真っ只中のフランス人などにも及びました。

パリの鉄道(RER)、メトロ、バス、トラムなどを運行するパリ交通公団(Régie Autonome des Transports Parisiens, RATP)は、レールの温度が数カ所で57度を超えたとして、安全対策の観点から速度制限を実施しました。

以下の交通機関では、通常の最高時速が100kmのところ60km(メトロは通常60kmのところ30-40km)での運行となりました。
ーRER:A線、B線
ーメトロ:地上に出る区間のある1・2・5・6・8・13号線
ートラム:T1・T2号線

RATPの交通網に含まれる公共施設では、水を配るなどのキャンペーンも行われました。

 

ジロンドの山火事

同じく西部のジロンド県(Gironde)では大規模な山火事が発生し、19日の時点で2万300ヘクタールが焼けたと報道されています。

特にラ・テスト=ド=ビュック (La Teste-de-Buch)、ランディラ(Landiras)では被害が激しく、20日朝の時点で3万7000名近くが避難を強いられていました。

マクロン大統領は民間ヘリでの消火作業を要請したと同時に、自身も20日午後にラ・テスト=ド=ビュックへ到着し、消防隊やボランティアへの感謝の意を表しました。

記者からのインタビューでは、今後の山火事対策として、現在すでに11台を所有している空中消化器のカナディア(Canadair)を新たに購入する方向だと回答しました。

気候変動対策については、マクロン氏の第一次政権ですでに前年の倍のスピードで二酸化炭素の排出を削減したと、強調しています。

執筆あお

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