パリで活躍の日本人シェフ、関根拓さん自殺 メディアで中傷受け

2020.09.30

パリで活躍の日本人シェフ自殺

9月30日(水)、パリでレストランのシェフとして活躍中だった日本人シェフ関根拓さんが、「メディアでセクハラなどの根拠のない中傷を受けたことが要因で自殺した」と遺族が28日(月)に発表しました。

 

アラン・デュカスに師事、パリで2つの人気レストランで注目浴びる

関根さんはフランス料理の巨匠、アラン・デュカス(Alain Ducasse)の元で修行し、パリの最高級ホテルの一つプラザアテネ(Plaza Athénée)内のレストラン、ミシュラン2ツ星をもつ著名シェフ、エレン・ダローズ(Hélène Darroze)の店を経て2014年に独立し、パリ12区バスティーユ広場(Place de la Bastille)近辺にレストラン《デルスー 》(Dersou)をオープンしました。

デルスーは2016年に人気のレストランガイドFoodingで、「最優秀テーブル」に選ばれるなど注目を浴びました。また、2019年にはパリ19区にアジア料理のレストラン《シュヴァル・ドール》(Cheval d’Or)をオープンし、フランス有力紙のレストラン評で高い評価を得、地元パリのグルメ達で賑わっていました。

 

厨房でのセクハラ問題、根拠なき噂、レストランサイトが名指しで掲載

雑誌ヴァニティーフェアー(Vanity Fair)フランス語版によると、レストラン情報サイトのアタビュラ(Atabula)は、今年8月「パリの有名なシェフが関係していると思われる、若い女性が厨房で受けたセクハラ問題を独自で調査している」と、メディア業界に噂を広め始めました。

それからわずか数週間後、この時点で故人に対し「誰からも苦情が来たり告訴されていない」にもかかわらず、アタビュラは「関根拓氏はセクハラとレイプの容疑で告訴されようとしている」と名指しで掲載、さらに「そのためシェフは日本に逃げ帰った」とこき下ろしています。

ヴァニティーフェアーは、これについてシェフ本人は「全面的に否定していた」と記載しています。

ちなみに、噂のタネになった若い女性は自身のインスタグラムで、厨房でのセクハラについて投稿したものの、名前などは一切出していません。

 

名誉毀損で鬱状態に、パリのシェフら《悲しみ》を表明

アタビュラの何の根拠もない記事に、遺族は「(関根さんは)日本には帰ってすらおらず、フランスで家族とともに過ごし、医者の治療を受けていた。また、日本人として最も大切な名誉を傷つけられたことへの苦しみに苛まれていた」と、怒りを表明しています。

関根さんはこの2ヶ月で重度の鬱状態に陥り、28日、39歳の若さで自らの命を絶ちました。

この衝撃的なニュースに、同じくパリで同じく活躍するジョヴァンニ・パッセリーニ(Giovanni Passerini)など数々のシェフ達から、悲しみとお悔やみの言葉がSNS上に寄せられています。

執筆:マダム・カトウ

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