ブリジストン《北フランス工場2021年閉鎖》発表に、フランス政府、自治体抗議

2020.09.18
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ブリジストン 北フランス工場閉鎖にフランス政府、自治体抗議

9月18日(金)、ブリジストンフランスは16日、同社としては欧州初の工場で1961年から約60年続いた北フランスべチューヌ(Béthune)工場を2021年中に閉鎖すると発表しました。

 

突然の工場閉鎖発表、863人が解雇に

ブリジストンヨーロッパの代表、ローラン・ダルトゥ(Laurent Dartoux)氏は、「(タイヤ)市場の構造的問題により、事業を継続していくことが困難になった」ことから閉鎖を決めましたが、この決定を「決して軽く見ているわけではない」と、同社が苦渋の選択を強いられたことを表しています。

同社は同工場のほか、営業拠点などを含めフランス国内で約3500人を雇用しており、「工場で働く社員の配置転換や、再就職職支援などを手厚く行う」と発表しています。

 

フランス政府と自治体、《信頼を裏切り》に怒りと抗議

一方、政府報道官ガブリエル・アタル(Gabriel Attal)氏は「ブリジストン社は、欧州内他国の工場を優先するあまり、べチューヌ工場への投資を十分に行わず、労使間の対話も十分に行われていない」と、業績不振が外的要因だけではないことを示唆し「言い訳よりも責任を全うすべきだ」と、突然の工場閉鎖の発表を痛烈に非難しました。

労働大臣エリザベート・ボルヌ(Elisabeth Borne)氏、北フランスのオ=ドゥ=フランス(Haut-de-France)地方議会長グザヴィエ・ベルトラン(Xavier Bertrand)氏は共同で声明を発表し、「突然の工場閉鎖は根拠に欠ける」とし、また「同社に対し、閉鎖以外の解決策を要求する」など、工場閉鎖を何とか阻止する構えを見せており、今後行われるブリジストンフランス、労働組合、政府および自治体の間で行われる話し合いに強い姿勢で臨むことが予想されます。

ちなみに、フランスでは工場誘致にしばしば自治体や政府が税優遇策を提供することから、企業に「雇用維持」という対価を求め、大規模なリストラや閉鎖には労働局のみならず「政治」が絡んできます。

北フランス、相次ぐ工場閉鎖に自治体焦り

昨年のコンチネンタル社(Continental)(独)、グッドイヤー社(Goodyear)(米)の工場閉鎖に続くブリジストン社の工場閉鎖で、オ=ドゥ=フランス地方では雇用喪失が続いています。

同知事のベルトラン氏は(工場閉鎖を)「計画的殺人」と呼び、「同社が製造業者としてではなく、投資家の視点だけで閉鎖を決定しているのであれば、今後閉鎖は長引き、(維持より)閉鎖の方が高くつくことになるだろう」と牽制しています。しかし一方で、「この工場を維持するための再投資に国と自治体は協力する準備がある」と、失業者の増加を何とか食い止めたい事情が伺えます。

 

タイヤ業界、中国製にシェア奪われ業績不振 コロナ禍で見通し暗く

2000年にわずか6%だった、フランスのタイヤ市場における中国製のシェアは、2018年には25%に達しています。

昨年はフランスタイヤ製造大手ミシュラン社が、東欧の工場閉鎖を行うなど、アジア勢との価格競争のため、規模の小さい工場の閉鎖が続いています。

今回閉鎖が発表されたブリジストン社のべチューム工場は、同社欧州内の工場で最も採算が取れておらず、長期にわたり業績不振が続いていました。

コロナ禍で世界の自動車産業は大打撃を受けていますが、欧州内の自動車市場は、今年の第一四半期ですでに40%の大幅売り上げ減となり、年間では25%減が予想されています。

執筆:マダム・カトウ

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