2月10日(月)、自然で健康的な消費を目指す考え方に基づいた商品「スローコスメ(slow cosmétique)」が今、人気を集めていることが明らかになりました。
スローコスメとは
1986年にイタリアで「ファストフード」に対抗した考え方「スローフード」が生まれ、世界中に大きな反響をもたらしました。それから16年後の2012年、フランスでそれを化粧品に当てはめた「スローコスメ」という考え方が出てきました。
拡大する「スローコスメ」市場
「スローコスメ」は植物や柑橘類のエキスなどの自然の成分で作られた化粧品です。「スローコスメ」のラベルを張った商品を扱っている企業は10か国で合計219社以上もあります。現段階ではまだ市場としては小規模ですが、フランスでは4人に1人はこの種の商品のことを耳にしたことがあると答えています。
この市場が120億ユーロ(およそ1439億円1ユーロ:およそ120円計算)ある美容・化粧品市場全体に占める割合は4.5パーセントと決して多くはありませんが、自然素材を使用した商品を求める健康志向の消費者に受け、この市場は拡大を続けています。
スローコスメの定義
「スローコスメ」の商品の特徴は、自然で健康的なだけでなく、環境にも配慮してあるということです。売り上げを増やすために”環境のため”と謳っている「グリーンウォッシング」とは違い、本当に環境に良い成分しか使われていないそうです。
商品の大部分は薬局、オーガニックコスメを扱う店、あるいはインターネット上で販売されています。2015年に4000個以上の商品が販売され、300万ユーロ(およそ3億5974万円)の売り上げを達成しました。2019年の第1四半期の「スローコスメ」商品全体の売り上げは前年同時期より31パーセント増加しました。
2012年にアロマテラピストで美容家のジュリアン・ケベック氏(Julien Kaibeck)によって設立されたスローコスメ協会(Aisbl Slow Cosmétique/Association de droit belge à vocation internationale et sans but lucratif Slow Cosmétique)は、「スローフード」運動にいち早く賛同したベルギーのスィリー市(Silly)の市長を有識者委員会に迎え、商品のイメージアップを図っています。
スローコスメ協会のホームページは→こちら←
フランス発祥の「スローコスメ」は日本でも見聞きするようになりました。自然派の考え方が徐々に広がっているようです。
執筆・Shunsuke