11月8日(金)、第一次大戦中にバルト海で沈んだ船キロス(Kyros)から、コニャックなど数百本がスウェーデンの企業により発見されました。
ロシア帝国向けのコニャックを運ぶ船 ドイツ潜水艦が撃沈
「海中に沈む秘宝」の捜索を専門にするオーシャンX社は、バルト海に沈む船キロスから、コニャック(cognac)600本およびベネディクティン(Bénédictine)と呼ばれるフランス産リキュール300本を発見しました。
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— Ocean x Team (@OceanXteam) 4 novembre 2019
沈没した1917年当時、キロスはロシア帝国向けの商材を積み、オーランド諸島(l’île d’Åland)沿岸をフィンランド本土に向けて航行中でしたが、ドイツの潜水艦に撃沈されました。乗組員はボートでスウェーデンの海岸にたどり着き無事でした。
発見されたコニャックは、今は存在しないドゥ・アートマン(De Haartman)社により製造されたものです。
ベネディクティンはブランデーに27種類の薬草や香草を混ぜて作られる蒸留酒(リキュール)で、1510年にフランス北部ノルマンディー地方のフェカン(Fécamp)にある《ベネディクト派修道院》によって最初に作られたことからこの名前が付けられており、こちらは現在もバカルディ・マルティニ・フランス(Bacardi-Martini France)社で製造されています。
100年前のコニャック 今でも飲める?
今回発見された数百本のボトルは、研究所にて今でも飲めるかどうか分析中ですが、オーシャンX社の捜索責任者ペーター・リンドベルグ(Peter Lindberg)氏は、「バルト海は水温が低く薄暗いため、アルコールを長期間保存するには好条件だ」と語っています。
計画から20年 引き上げは難航
キロスの「秘宝」の捜索は20年前に計画されました。海中77メートルに沈む難破船は、発見当時漁師の網などが絡まっていました。そのため、リンドベルグ氏率いる潜水夫たちの作業は難航し、最終的には遠隔操作が可能な小型潜水艦の導入を外部業者に依頼する必要がありました。
苦労して引き揚げた100年前のコニャック、どんな味がするのでしょうか?
執筆:マダム・カトウ