フランス 子供への体罰 法律で禁止に

2019.07.11

7月11日(金)、7月2日にフランス国会で満場一致で可決された子供の体罰を禁止する法案が本日施行され、「躾」というの名の子供への暴力が禁止となりました。

 

フランスは世界で56ヶ国目、スウェーデンでは40年前に施行

フランスは今回の施行により、子供への体罰を禁止する56ヶ国目の国となりましたが、この法律を最初に施行したスウェーデンには実に40年の遅れをとっています。

法律が指す子供への体罰は「日常の躾と言う名の暴力」と明記され、殴る、ビンタなどの暴力のほか、恥辱、侮辱、馬鹿にするなどの言葉の暴力、嫌がらせなども含まれます。

民法に記載されるこの法文ですが、フランスの市役所で行われる結婚式の際に「親権とは暴力および言葉の暴力に訴えることなく履行すべし」と読み上げられます。
政府は今回の法令化により「親子がお互いを尊敬し合う、対話に基づいた子供の教育」を子供政策の柱にし、広めていくことに意欲を示しています。

 

フランスの親の85%が体罰

児童のための基金(Fondation pour l’Enfance)によると、フランスの親の85%が子供に体罰を加えています。

フランス厚生・連帯省国務長官アドリアン・タック(Adrien Taque)は、「暴力全般を禁止する刑法222条13項の中で、(子供への体罰が)禁止事項であるというメッセージが強化される」事を歓迎し、また子供への体罰が禁止されていることを告知する手段として、児童健康手帳の1ページ目にも法文を記載すると発表しています。

一方元老院議員の中には、「そもそも体罰とは何なのか?の定義が難しいため、今回の法文が象徴的でしかない」と、その効果に疑問の声もあがっています。なぜなら、すでに刑法により暴力全般が禁止されているにもかかわらず、親が子供に折檻したことを認める判例があるからです。

フランスにおける子供の体罰禁止法案は、2015年にヨーロッパ評議会にてフランスに、体罰禁止法がないことに指摘を受けたことが発端となり、2017年に可決された「平等と市民権」法案に当初組み込まれていました。しかしながら、この体罰禁止措置と法案の大筋との関連性が低いことから、可決された法案から削除されていました。

執筆:マダム・カトウ

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