7月4日(木)、今週末から本格化する7月、8月の夏のバカンスシーズンを前に、フランス北東部の高速道路運営会社Sanef社が発表した高速道路の運転マナー調査結果によると、今年に入ってフランス人の運転マナーが悪化しているようです。
スマホ使用、スピード違反、車間距離が悪化
発表によるとフランスのドライバーの6%がスマホを片手に運転し、そのうち57%が通話、20%はメッセージかメールを送っています。運転中のスマホ使用は2017年、2018年と減少傾向でしたが、今年に入り増加に転じ、2015年の3.5%からおよそ倍に増えています。
スマホ使用は運転時の不注意の大きな要因で、とっさの対応の妨げになることはさまざまな調査で証明されています。
2018年の高速道路死亡事故のうち30%は、ドライバーの不注意によるものです。
さらに調査対象の高速道路A1およびA13では、43%のドライバーが時速130Km以上で走るスピード違反で、昨年の38%を5ポイントも超えています。
高速道路の事故原因の7件に1件はスピード違反ですが、これはSanef社が統計を取り始めてからの8年間の過去最高となっています。
車間距離100メートルを守っていないドライバーは、右車線(追い越し車線)で18%、中央車線で31%、左車線で実に29%に登り、何かあったら追突が避けられない状況になっています。
最も危険な長距離トラック 15%が運転中にスマホ使用
今回発表された中で最も懸念されるのは長距離トラックの運転マナーで、その5台に1台が2分に1回の割合で高速道路の非常停止帯にはみ出して運転しています。しかも15分に1回は非常停止帯上を走行しており、非常停止した他の車や下車した運転手を巻き込む死亡事故の確率が高まっています。
よって、Sanief社は非常停止の場合、後方から長距離トラックが来ていないことを確かめてから停止するよう呼びかけています。
主な原因はやはりスマホ使用など運転以外のことをしていて、もしくは居眠り運転などドライバーの不注意によるものです。
ちなみに、長距離トラックの運転手のスマホ使用は実に15%にも上ります。
これから夏のバカンスに向け交通量の増える高速道路、運転マナーの改善が望まれます。
執筆:マダム・カトウ