マリー・アントワネットの秘蔵の宝石が競売へ ペンダント一つで数億円で落札予想

2018.10.22
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10月21日(日)、フランスメディアは、芸術品の競売を数多く手掛ける世界最古の国際競売会社であるサザビーズ(Sotheby’s)が、11月14日(水)にジュネーブで開催する競売に、ルイ16世(Louis XVI)の王妃で、フランス革命中の1793年にパリのコンコルド広場(Place de la Concorde)でギロチン(guillotine)で処刑されたマリー=アントワネット(Marie-Antoinette/1755-1793)の秘蔵のネックレスなどを出品する、と報道しました。

 

ペンダント一つで数億円か

今回の競売には、1860年までイタリア北部に存在したパルマ公国(伊:Ducato di Parma e Piacenza/仏:Duché de Parme et de Plaisance)を統治した、旧王家のブルボン=パルマ(Bourbon-Parme)家一族が所有しているコレクションの中から最高級の宝石など、10点が出品されます。

出品を前にロンドンで公開 輝きを放つ

11月の競売出品を前に、19日(金)にロンドンで公開されました。

その中でも、マリー=アントワネットが身に付けていたとされる、大きなダイヤモンドと非常に大きな天然真珠を用いたペンダントは、87万ユーロ(およそ1億1300万円/1ユーロ:130円計算)から175万ユーロ(およそ2億2740万円)という高額で落札されるとみられています。

また、一対のイヤリングと100個ほどの天然真珠で作られたネックレスのセットは、およそ25万ユーロ(およそ3248万円)で落札されると予想されています。

 

フランス革命時のマリー=アントワネット

ヴァレンヌ逃亡事件

1789年にフランス革命が勃発すると、マリー=アントワネットはフランスから脱出するため、フランス革命戦争が始まる前年、1791年の6月20日に夫のルイ16世と子供たちと共に、庶民に変装してパリを脱出します。しかし、22日にフランス東部の国境の街、ヴァレンヌ(Varennes)で身元がばれ、パリに連れ戻されます(ヴァレンヌ逃亡事件/La fuite à Varennes)。

この逃亡の直前、マリー=アントワネットは自らの宝石をベルギーのブリュッセル(Bruxelles)に送り、その後それらの宝石はオーストリアで保管されることになります。

8月10日事件

パリへ連れ戻されたマリー=アントワネットとルイ16世ですが、1792年8月10日に起こった通称「8月10日事件(Journée du 10 août 1792)」で、テュイルリー宮殿(Palais des Tuileries)にいたところを襲撃され、息子のルイ17世(Louis XVII)、娘のマリー・テレーズ(Marie Thérèse)と共にパリ3区にあった修道院、タンプル塔(Tour du Temple)に幽閉されます。

コンコルド広場でのギロチン処刑

ルイ16世は1793年1月の国王裁判で処刑の判決を受け1月21日に、マリー=アントワネットは10月の革命裁判で同じく処刑の判決を受け10月16日に、それぞれパリのコンコルド広場で「人道的理由」でギロチンによって処刑が行われました。

マリー=アントワネットが最後に残した言葉は、処刑執行人の足を踏んでしまった際に言った「ごめんなさいね、ムッシュー、わざとではありませんの(Pardonnez-moi, monsieur. Je ne l’ai pas fait exprès.)」だったとされています。

彼らの息子、ルイ17世(Louis XVII)は捕虜として捉えられたまま、その後タンプル塔から解放されることなく、2年後に10歳で病死しています。

 

マリー・テレーズに戻された宝石

フランス革命の唯一の生存者である娘のマリー・テレーズは、1795年12月に解放され、彼女がオーストリアのウィーン(独:Wien/仏:Vienne)に到着した際、大切に保管されていたマリー=アントワネットの宝石が、オーストリア皇帝の手によってマリー・テレーズの手に返されました。

2世紀に渡って保存され続けた宝石

その後、ブルボン=パルマ家の手に渡ったこれらの宝石は、2世紀に渡り、公の目に触れることなく大切に保存されます。

サザビーズの欧州ジュエリー部門のダニエラ・マスチェッティ(Daniela Mascetti)副代表は、「これらは、王族の宝石コレクションの中で最も重要なものの一つで、これまで一度も市場に登場したことはない。一つ一つのピースに歴史が刻まれている」と述べています。

 

フランス国内には反対の声も

一方で、フランスの歴史研究家、ジャーナリストで、テレビやラジオの歴史遺産を紹介する番組で司会者としても活躍しているステファン・ベルン(Stéphane Bern)氏はツイッターで、「ルーブル美術館や文化省、フランソワーズ・ニッセン(FrancoiseNyssen/ベルギー文化相)がこの歴史遺産をフランスに取り戻してくれないものか」とコメントしています。

はたして、これらの宝石は誰の手に渡るのでしょうか。

執筆:Daisuke

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