人気漫画「ジャック・パルメール」シリーズの生みの親 ルネ・ペティヨン氏死去

2018.10.01

9月30日(日)、フランスで人気を博し、俳優のクリスチャン・クラヴィエ(Christian Clavier)氏とジャン・レノ(Jean Reno)氏によるW主演映画「コルシカン・ファイル(原題:L’enquête Corse)」の原作にもなった漫画「ジャック・パルメール(Jack Palmer/日本ではジャック・パーマー)」シリーズの生みの親、ルネ・ペティヨン(René Pétillon)氏が長い闘病生活の末、72歳で亡くなりました。(画像はウィキペディアから引用)

 

ペティヨン氏の経歴

1945年12月12日、フランス北西部のブルターニュ(Bretagne)地方のフィニステール(Finistère)県北部、レスヌヴァン(Lesneven)で生まれます。

独学で漫画を学び、1968年からプラネット(Planète)誌を始め、アンラジェ(l’Enragé)誌やプレクシュス(Plexus)誌など、複数の雑誌で彼の絵が掲載されはじめ、1972年に初めて彼の漫画がピロットゥ(Pilote)誌に掲載されます。

2年後の1974年、大きな鼻で少しおバカな探偵ジャック・パルメールを生み出し、ジャック・パルメールシリーズは、その後39年間連載が続く大ヒット作となります。シリーズ最後の作品となった、2013に発行された「ブルターニュのパルメール(Palmer en Bretagne)は、ペティヨン氏の故郷、ブルターニュ地方が作品の舞台となっています。

1976年からは、イヴ・ゴット(Yves Got)氏の描く漫画「バロン・ノワール(Le Baron noir/真っ黒男爵 )」の脚本を担当するなど、才能を発揮します。

同時に、風刺色が強いカナール・アンシェネ(le Canard enchaîné)紙などで、卓越した風刺漫画を掲載するなど、政治風刺の分野で最も有名なアーティストの内の一人として知られていきます。

アングレーム国際漫画グランプリ受賞

漫画界の発展に寄与した功績を認められ、1989年のアングレーム国際漫画祭(Festival international de la bande dessinée d’Angoulême)で、グランプリ(Grand prix de la ville d’Angoulême)が贈られています。この漫画祭は、フランスで最も古い漫画関連のイベントで、漫画界のカンヌとも呼ばれています。

また、2017年にはブロワ(Blois)で行われているbd BOUM漫画祭では、Grand Boum-Ville de Bloisを受賞しています。

 

人気を博したジャック・パルメール

ジャック・パルメールは、1974年にペティヨン氏によって生み出された、人気の私立探偵漫画シリーズで、連載は2013年まで続きました。

ジャック・パルメールは、客からの依頼をしっかりと理解しないまま、いつも台風に運ばれて現地へたどり着くという私立探偵で、政治、経済、マフィア、など社会的な問題に触れる風刺的な内容で人気を博しました。

また、パルメール探偵が頻繁にTati(庶民向けのスーパーマーケット)の買い物袋を身に付けていることから、親しみやすいキャラクターとしても人気を集めました。

コルシカン・ファイルが映画化

パルメールシリーズの内、2000年から連載された「コルシカン・ファイル(原題:L’enquête Corse)」は、2004年にアラン・バーバリアン(Alain Berberian)監督によって、日本でも人気の俳優ジャン・レノ氏と、フランスで大人気のコメディ俳優クリスチャン・クラヴィエ氏のW主演で映画化されました。

 

出版界が追悼の意を表明

多くの功績を遺したペティヨン氏の訃報に、ジャック・パルメールシリーズを最も多く出版したダルゴー社(Dargaud)など、出版界も追悼の意をツイートしています。

ルネ・ペティヨン氏の死去を伝えなければいけないことは、大きな悲しみです。親愛な友人を失う悲しみと痛みは、私たちから、素晴らしい魅力にあふれ、類まれな優雅さを備えた並外れた才能の漫画家を忘れ去ることはできません。

巨匠を失ったフランスは悲しみに包まれています。

執筆:Daisuke

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