フランス「男の産休」延長を検討、一部義務化も?

2018.09.13

フランス男の産休社会問題調査委員会(IGAS=L’Inspection générale des affaires sociales) は「職場の男女平等」の観点から、男性の「産休」期間の延長を推奨しており、政府は検討に入ります。

 

11日間を3~4週間に?

調査委員会IGASは、男性の産休期間の延長及び期間の一部を短い間でも義務化することを推奨しています。

今回の調査における最大の目的は「いかに男性の産休取得率を上げるか?」ということですが、 期間を延長することにより、父親も「母親と新生児が病院から家に帰宅するという最初の期間に子供の世話をし、身体的にも大変な出産後の母親の家事労働の手助け」をすることになり、法改正は母子にとっても父親にとっても有益だとしています。

男性の7割が取得も、短すぎて効果薄

現在、父親の70%が11日間(子供1人の場合)、もしくは18日間(双子かそれ以上)の「産休」を取っています。
男性の産休制度 は、2002年に育児休暇とは別に、それ以前からある100%会社負担の3日間の出産特別休暇を補う形で導入されました。産休期間は本人の給与水準により、社会保険局から手当が支払われます。

しかしながら、すでにいくつかの請願書や討論会でこの「短すぎて効果が薄い」制度の改正を要求する声があがっています。

 

改正には前向きだが、義務化には反対

今回の調査はフィリップ首相(Édouard Philippe)の命によるものですが、男女平等担当国務長官 ( secrétaire d’État chargée de l’Égalité entre les femmes et les hommes )マーレーヌ・シアッパ(Marlène Schiappa)氏のオフィスからは「まだ検討段階で結論には至っていない」 としか発表されていません。過去にシアッパ長官はこの件に触れ、「改正には前向きだが、義務化には賛成していない」と見解を述べています。

IGASは、もし期間延長がない場合、男女の家事の分担の割合は改善されず、よって職場での男女平等を達成するのは難しくなると推定しています。

 

膨大な費用の捻出が問題

レポートでは、男性の産休を2~3週間追加するとともに、出産特別休暇を現在の3日間から5日間に延長することも提案されていますが、これらを合計すると、新生児出生後の3週間~1ヶ月間父親が家にいることになります。問題はこの期間に支給される手当の財源です。

産休と特別休暇の合計が3週間の場合で1億3千万EUR(約169億円)、1ヶ月のシナリオでは3億3千万EUR(約429億円)の追加予算が、手当を支給する全国家族手当金庫(Cnaf=Caisse nationale d’allocations familiales )に必要となります。

調査レポートでは、費用捻出のため労働協約で決められている結婚やPACS(連帯市民協約)の為の特別休暇の日数を減らすことも提案されています。

 

取得率にも労働契約形態による「格差」

調査レポートはまた、労働待遇によって男性で産休を取る人の割合が異なることを指摘されています。正社員では80%の取得率ですが、短期契社員では48%と半分に減り、自営業者は32%にすぎません。

義務化で取得する「罪悪感」を解消?

男性の産休の義務化については、「短期間でも義務化にすることで、出産後の期間に不在だった父親にも家事や育児への参加を促し、また、最大限産休を取りたい男性が職場で感じる罪悪感をぬぐい去ることができる」、とIGASは法改正後の効果を推測しています。

執筆:マダム・カトウ

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