フランス、高額失業手当の支給見直し

2018.08.23
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解雇
過去6ヶ月で2回議会で取り上げられた失業手当の見直しですが、まずは毎月5000EUR(約65万円)以上の失業手当から、段階的減額の導入を検討する動きがでています。

 

まずは厚遇者への支給制度見直し

与党 LREM所属 のオレリアン・タシェ(Aurélien Taché)議員は、高級管理職らが受給する5000EUR(約65万円)から6000EUR(約75万円)の失業手当の支給制度見直しを国会で提議しました。

タシェ議員は、高額失業手当の受給額の段階的減額や、受給限度額の見直しを呼びかけています。

 

フランスの失業手当、EU圏内でもっとも好条件

フランスの失業手当は最長で2年間(50歳以上は3年間、ただし解雇理由などにもよる)支給されますが、他国に見られる受給期間内の段階的な減額がほとんどありません。また、フランスでは最低4ヶ月就業すると、失業保険の権利が発生します。

細かい条件が各国で異なるため単純比較は難しいとはいえ、 受給限度額も高く、EU圏内においてもっとも条件のいい失業保険制度と言われています。

管理職全体の失業前給与は2.3倍

フランスで失業手当を受給しているのは失業者全体の50%で、うち一般管理職も含めた管理職はわずか7%となります。彼らの失業前の最後の給与の平均は4400EUR(約55万円)で、失業者全体の平均1900EUR(約24万円)の2.3倍となっています。

最終学歴では、管理職で高校卒業後3年以上の高等教育を受けた割合は55%、失業保険受給者全体の平均は13%にとどまります。また、男女比は男性55%、女性41%となっています。
さらに、失業手当の受給期間も、満期の2年間受給される権利を持つ人は全体で52%ですが、管理職に限定すると85%にも上ります。

 

高級管理職の失業手当受給者はたったの0.02%

2016年の l’Unédic(Union nationale interprofessionnelle pour l’emploi dans l’industrie et le commerce=失業保険料、支給額を決める元政府機関、現在独立非営利団体)の調査では、税引き前の給与が13000EUR(約165万円)以上という高級管理職が 65.600人います。彼らが失業すると最高で6200EURの失業手当の権利がありますが、このクラスの給与所得者の失業者は776人、高級管理職者全体のわずか0,02%にすぎません。

 

高い受給には高い保険料

すでに施行されている社会保険料の改正で、10月から失業保険料の個人負担分が免除され、失業保険料は企業負担のみとなります。しかし、高級管理職の受給額を減額するなら当然企業側も支払い保険料の減額を要求してくることは必須のため、改正には慎重にならざるを得ません。

 

払うばかりで恩恵にはあずかれない?

管理職の労働組合、CFE-CGF(Confédération française de l’encadrement – Confédération générale des cadres)のフランソワ・オンムリル(François Hommeril)書記長は、「管理職は、管理職以外の労働者も連帯して支えている。にもかかわらず、我々にはその恩恵にあずかる権利はない」と、ツイッターでタシェ議員の提案に反論しています。

また、中小企業の雇用主の非営利団体 CPME (Confédération des petites et moyennes entreprises)も、4ヶ月働いて24ヶ月の失業手当が受給が可能な現行の制度についての調査を始めました。
長い間失業保険制度全体の見直しを迫られているフランス政府ですが、まずは労働者全体を代表する組合を刺激しないためか、厚遇者の条件から協議を始める模様です。

執筆:マダム・カトウ

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