本日６月14日、サッカーワールドカップ2018（Coupe du monde de football de 2018）ロシア大会が開幕します。フランス代表は６月16日（土）にオーストラリア戦で初戦を迎えますが、フランスのメディアはＷ杯の話題でもちきりです。
1998年フランス大会での初優勝から20年
フランス代表は、1998年地元フランスで開催されたＷ杯で初優勝して以来、一度も優勝していません。大会で大活躍したジネディーヌ・ジダン（Zinedine Zidane）選手は国民的英雄となり、その後のフランス代表チームの活躍が期待されましたが、2006年のドイツ大会の決勝では、そのジダン選手が頭付きで反則退場となりイタリアに敗退。さらに2010年の南アフリカ大会では、選手が練習をストライキして世界に恥を晒したうえに予選敗退するなど、代表選手の品格やモラルの低さが問題となり、フランス代表自体の人気も低迷しました。
2014年ブラジル大会で復活の兆し
1998年のフランス代表キャプテン、ディディエ・デシャン（Didier Deschamps）監督の下、2014年のブラジル大会では準決勝進出、優勝したドイツに１－０で敗退したものの、フランスサッカーの復活の兆しが見え始めました。
「世界一のチームじゃない」は思い込み？優れた若手に期待
フランスサッカー協会（Fédération française de football）会長、ノエル・ル・グラエ（Noël Le Graët）氏は、ル・ポワン（Le Point）紙のインタビューに答え、「目標は最低でも準決勝進出だが、それにはまず「フランスは世界一のチームじゃない」という考えを捨てるべきだ。優れた若手選手が経験値の高いベテラン選手とサプライズをもたらす可能性が大いにあると思う」と、今回のロシア大会への抱負を語りました。
フランス代表チームは世界一「高い」チーム？
サッカーに関する観測団体（CIES Football Observatory）の今月11日の発表によると、今回のＷ杯ロシア大会に参加する各国代表チームの金銭価値が最も高いのは、フランス代表の14億１千百万ユーロ（約１千８百３３億円）、２位はイングランド代表の13億９千万ユーロ（約１千８百７億円）、３位はブラジル代表の12億７千万ユーロ（１千２百70億円）となっています。
世界で一番「金銭価値」が高い選手は、フランス代表ムバッペ選手
また、世界で一番金銭価値の高い選手はフランス代表のキリアン・ムバッペ（Kylian Mbappé）選手、２位はイングランド代表のハリー・ケイン（Harry Kane）選手、３位はブラジル代表のネイマール（Neymar Jr.）選手とのことです。
このように数字上ではフランス代表が優勝してもおかしくないことになります。
国民の予想、優勝する48％、優勝しない52％
今回のロシア大会に「1998年フランス大会の栄光をもう一度」という声が熱狂的なサッカーファンから上がる一方、フランス代表選手の平均年齢は26.4歳と若く、19歳のムバッペ選手などは当時生まれてもいないなど、選手の多くは20年前のフランス大会を知りません。
参加国全体の平均年齢より１歳若いフランス代表に大きな期待をするものの、国民の予想は今のところ「優勝しない」に傾いています。一次リーグの結果次第ではこの予想が変わってくるでしょう。
まずは16日12時（日本時間19時）キックオフ、初戦のオーストラリア戦が注目されます。
執筆 ： マダム・カトウ
