2026年3月10日(火)、フランス人の卵消費量は年々増えていますが、需要増に供給が追い付かず、品切れや価格の高騰を招いています。そのため、ここ数年、フランスの一般家庭では、庭で鶏を飼う人が増えているとフランスのテレビ局が取材をしています。
年5%ずつ増える卵の消費
フランスにおける卵の消費量は、3年前から年5%ずつ増えています。
過去数年間のインフレで、高騰する肉に代わる安価なたんぱく質として需要が増えたことが主な原因です。加えて、ベジタリアン、肉の消費を控える若年の増加も卵が注目される理由です。
しかし需要増にも関わらず、供給の方は追い付いていません。特に鳥インフルエンザが流行った年は突然供給が大幅減となり、フランス全国のスーパーでは卵売り場の棚が連日空になっていることがありました。
大手メーカーの生産追い付かず、スーパーは仕入れに苦心
現在も、12個入りなどのお徳用パックは、ほとんどの場合すぐに売り切れてしまいます。
南西フランス、ランド県 (Landes)南部にある人口12,000人の町タルノス(Tarnos)の大型スーパーでは、卵がたびたび売り切れになるため、大手の鶏卵メーカーだけでなく、地元の小規模生産者からも仕入れています。現在、地元生産者からの仕入れは全体の3分の1を占めています。
テレビの取材に答えたスーパーの店長は、「確かに小規模生産者からの仕入れ値は割高ですが、売り切れが続いてお客様のご要望に応えられないよりは、利益を多少削ってでも商品を切らさない方が重要なのです」と述べています。このスーパーでは卵の売り上げが年15%のペースで増えています。
18カ月で殺処分されるニワトリ、一羽7ユーロで個人に販売
採卵養鶏場で卵を産むニワトリは18カ月で生産量が落ちるため、殺処分されます。その数は毎年約4,500万羽にも上ります。
西フランス、ロワール=アトランティック(Loire-Atlantique)地方に拠点を置き、これらのニワトリを一般向けに販売する企業「プル・プール・トゥス」(Poule pour tous)のトマ・ダノ(Thomas Dano)社長によると、同社は2024年に10万500羽、2025年は11万羽を販売しました。
同社は、フランス各地で大規模なニワトリの販売会が開催しています。
家計、環境にもやさしい ウイン=ウイン
卵代の節約を兼ねてすでに6羽飼っているというファミリーは、テレビの取材に答え、「ニワトリは一羽7ユーロ(約1,290円/1ユーロ=約184円)で、餌代は6羽で7ユーロ程度です。これだけで毎日新鮮な卵が食べられます」と答えています。また、月30個を自宅で採卵することで5ユーロ(約920円)節約することができます。
さらにニワトリは、野菜の切れ端といった生ごみも食べてくれるため、この家庭ではゴミの量も減ったそうです。
個人の庭での養鶏、自治体のルールやご近所迷惑に注意
「プル・プール・トゥス」の販売員、マルク=アントワンヌ(Marc-Antoine)さんは、自宅の庭で養鶏をする場合、自治体によっては規制を設けている場合があるので、事前に調べておくことが必要だといいます。さらに、早朝の鳴き声でご近所迷惑になるため、近所の人にあらかじめ養鶏することを通知しておき、できれば「迷惑料として卵をおすそ分けすること」をお勧めしています。
フランス人一人当たりの卵消費、2025年は237個
昨年のフランス人一人当たりの消費量は237個と過去最高記録を更新しました。
ちなみに国際鶏卵委員会(IEC)の2023年のデータによると、世界で最も卵を食べているのはメキシコ人で、一人当たり年間380個と2位以下を引き離しています。
2位はアルゼンチン、3位はコロンビアと続きます。前年まで2位だった日本は鳥インフルエンザの影響で23年は320個と4位に転落しています。この年フランスは224個で18位でした。
卵生産量で欧州一のフランス、養鶏場の増設に後れ
2023年から3年で3億個も需要が増えた卵、需要増に応じるには生産量を高める必要がありますが、採卵養鶏場の増設には土地や認可の取得、資金繰りなどで、1件につき2年程度かかるため、簡単には増やせないのが現状です。
とはいえ、伸び続ける需要に、フランス鶏卵業界は、2030年をめどに約300の採卵養鶏場の増設を目指しています。
このまま消費量が増え続ければ、フランスが卵消費量の世界ランキングで上位に食い込む日が来るかもしれません。
出典:TF1
執筆:マダム・カトウ












