2026年3月6日(金)、3日に開始されたイランでの軍事衝突の影響でイランによる中東各国への爆撃が行われたため、中東発着のフライトのキャンセルが相次いでいます。フランス外務省によると、多くのフランス国籍保有者が滞留する中東では、5,000人ほどがフランスへの帰国を希望しており、政府のチャーター便などで救済を進めています。一方、春休みで主に東南アジアに旅行に出かけたフランス人が、中東経由もしくは乗り換えのフライトキャンセルが相次ぎ、フランスに帰国できずに現地で苦慮しています。
中東へは仏政府が軍用機、民間チャーター機で救済
昨日5日、フランス政府が帰国希望者のために用意した4機の軍用機のうちの一機がフランス、オルレアン(Orléans)の空港に到着しました。
政府はさらにエールフランス航空3機のフライトをチャーターし、アラブ首長国連合、ドバイからパリに向けて二便、もう一便はヨルダンのアンマンからパリへ飛ばす予定です。
5日の時点で、すでに、オマーンのアブダビからフランスへフランス人100数十名を乗せた民間機が一機、エジプトのシャルム・エル・シェイクから150名を乗せた民間機一機、さらにアブダビから軍用機が一機、南仏に到着しています。
中東にフランス人40万人
紛争の真っ只中にある中東各国には、在住者、旅行者などの一時滞在者などを合わせた約40万人のフランス人が滞在しています。
フランス外務省は海外滞在する国民向けに安全に関する助言を受け取ることができる制度「フィル・ダリアン(fil d’Ariane)」を用意しています(日本の「たびレジ」に近い)が、これに現在約3万6千人のフランス人が登録していることから、この数が、旅行、短期訪問、もしくは乗り継ぎ便のキャンセルで中東にとどまることを余儀なくされた人数であると同省は推計しています。
今のところフランス政府がチャーター便で対応しているのは、紛争が起こっている中東地域に限られています。しかしながら、中東行のフライトキャンセルで帰国不可能となった地域は、ビーチリゾートで人気の南アジア、アジアまで及んでいます。
これらの地域にバカンスに出かけたフランス人客は、無料対応の政府便と異なり、自腹で代替便を購入するなどの対処を迫られています。
アジアなど、中東以外の地域、ツアーか航空券のみなどで対応に違い
フライトキャンセルで帰国できなくなった人の中には、アジアへのバカンス客が多く含まれています。
地元紙の取材によると、スリランカのコロンボから帰国できなくなったフランス人家族は、エチハド航空の事務所に行ってみましたが、ホームページのアドレスが記載された張り紙があるだけだったと怒りをあらわにしていました。
この家族によると、同社はフライトキャンセルによって発生した延泊費用を一切負担していません。代替便は3月30日と言われましたが、それも刻一刻と変化しており、実際にいつ帰れるか全くわかりません。
代替便を辞退すれば、航空券代を半額返金を確約していますが、そうすると帰国便を別途自分で探して自腹で購入しなくてはなりません。
彼らは結局コロンボからインドのニューデリ―に飛び、そこからインド航空でドイツのフランクフルトまで飛ぶルートを家族3人合計で6,000ユーロ(約110万円/1ユーロ=184円)で見つけました。ところが、多くの航空会社が中央アジア経路に変更しているのに対し、このフライトがサウジアラビアの上空を飛ぶことがわかったため、まずは、コロンボよりフライト数の多いニューデリーまで行って別の方法を探すことにしました。
パッケージツアー、主催会社5社合同でチャーター便を用意
世界有数のリゾート、モルジブからフランスへのフライトは、ほぼ全便中東経由のため、代替便が全くありません。そのため、ツアーの主催会社数社、Exotismes、Nautil、Kuoni、Club Med、Les Maisons des Voyages社は、合同でチャーター便一機を用意、約260人のツアー客は間もなく帰路に就くことができる見通しです。
EU法が通用しない、欧州外の航空会社、対応まちまち
モーリシャス島からの帰国便がキャンセルされたルイーズ(Louise)さんは、ドバイまでたどり着いたものの、すぐに帰れる便には1,800ユーロ(約33万円)から3,500ユーロ(約64万円)の追加料金がかかると言われ、それ以来ドバイの航空会社が用意したホテルに滞在していますが、帰国の見通しはたっていません。
一方、バンコクから帰れなくなったレオ(Léo)さん、利用したエチハド航空は最初の3日間のホテルは用意しましたが、それ以降のホテル代は自腹になっています。
一方、カタール航空を利用したアンジェリック(Angélique)さんは航空会社がホテル代も食事も用意してくれていると述べています。
業界専門家によると、欧州系航空会社にはEU法が適応されるため、3日以降も宿泊を提供することが義務付けられています。それ以外の航空会社は最低限の3日間しか義務はなく、各航空会社により対応がまちまちです。
執筆:マダム・カトウ
出典:FranceInfo, Le Parisien, RMC, TF1, Le Figaro












