前回の記事では「フランス人らしい会話のリズムや相槌を意識することで、ネイティブ・スピーカーに近づくことができる」という話をしました。
今回は、フランス語をきれいに発音するための勉強方法について考えてみたいと思います。今回もネイティブの赤ちゃんが言葉を学んでいく過程がヒントです。
発音は聞くことから始めよ
大人の会話の抑揚をマネできるようになった赤ちゃんは、いよいよ母音や子音を発声し始めます。
最初は静かな環境のときに大人が話している口元をじっと見つめ、聞くことに集中します。それから、短い音をリピートするようにマネし始めます。もちろん最初は唇や舌をうまく動かすことができずに幼児特有の変な発音になってしまうこともありますが、だんだんと正しい発音に近づいていきます。
発音習得の3ステップ
《ステップ1》 聞く
《ステップ2》 唇や舌の筋肉を鍛える
《ステップ3》 正しく発音する
リスニング能力
私たち大人がフランス語の勉強でリスニングをするときにはどうしても「単語が聞き取れたか?」「意味が分かったか?」を意識してしまいがち。しかしリスニングの最も基礎となるのは、音そのものを聞き取る力なのです。
赤ちゃんにはすべての音を聞き取る能力があると言われていますが、成長するにつれ聞き取る必要のない音は聞き取れなくなってしまうそうです。大人になるとフランス語の聞き取りが難しくなるのはこのせいなのですね。
この必要な音だけを選択して聞き取る能力は、「顕在意識」が働いていると活発になります。それに対して眠っているときなどは「潜在意識」が働くため、音を選択して聞き取る能力は低くなると言われています。そして、眠りに落ちる前のウトウトする時間やとてもリラックスした状態では顕在意識と潜在意識が混在するため、やはり聞き取りの取捨選択の機能は低くなるようです。
リスニングの勉強はリラックして行うと効果的!?
そこで、どうしても苦手なリスニングを克服したい!という方は、顕在意識と潜在意識が混在する状態を作ってしまいましょう。
まずは部屋の照明を少し落として、誰にも邪魔されない一人の時間を確保したら、携帯電話もマナーモードに。スイッチを押したらすぐに始められる状態でリスニング教材を準備しておきます。そして座り心地のいい椅子やベッドなどに横になり、次の方法で深呼吸を三回おこないましょう。
1. 鼻から大きく息を吸ってお腹を膨らませたあと胸も膨らませ、たっぷり酸素を取り込みます。
2. 息を吸ったあと2、3秒息を止め、ゆっくりと細い息を吐いていきます。
手足の力を抜いて「リスニングは苦手という緊張感」が吐く息に溶けて体の外へ出ていくイメージを持つと、よりリックスできると思います。こうして体と気持ちがほぐれたところで、リスニング教材を聞いてみてください。
正しい発音にも筋トレが必要
音が聞き取れるようになったら、それを発声できるようになりたいですよね。
正しい発音をするためには顔や唇、舌の筋肉の使い方を習得する必要があります。これには筋トレが効果的。スポーツでもダンスでも、最初からすぐに上手な人の動きをマネできるわけではありません。日々、筋肉や体をトレーニングすることによってだんだんと上手くなっていくものです。発音も同じで、筋トレを地道にすることが大切なのです。
毎日1分、歯磨きの前に鏡を見ながら日本人が苦手なEやUの発音を練習して、筋肉を刺激する習慣をつけてみましょう。ときどき自分の発音を録音して上達度合いを実感するのもモチベーションアップに繋がると思いますよ!
執筆:マナミ