フランス語を勉強する私たちにとってネイティブ・スピーカーのように話せるようになることは最大の目標ともいえるでしょう。けれど実際にネイティブの美しいアクセントやイントネーション(抑揚)を身につけるのは容易なことではありませんよね。「ネイティブのようにフランス語を学べたら、どんなにか自分のアクセントもよくなるだろう……」と思ったことはありませんか?
今回はネイティブの赤ちゃんたちが言葉を習得していく過程をヒントにフランス語学習について考えてみたいと思います。
赤ちゃんのようにフランス語を学んでみよう!?
現在、私はフランスで子育てをしています。子どもの言葉の発達を観察していると様々なことに気づかされます。
まだ意味のある言葉を話せない時期、赤ちゃんはよくペチャクチャとひとり言をつぶやいて遊ぶことがありますが、その抑揚は大人の会話そっくりの抑揚なのです。その様子を見ていて、子どもは「言葉の意味を覚える」よりも音楽のように大人の会話の抑揚を聞いてマネることから言語学習を始めるのだな、と思いました。
フランス語のリズムと抑揚を身につけよう
フランス語レベルがまだ初級クラスだったころ、私はフランス人家庭に住み込みでオペア(※)をしていました。その頃の私はお世話をする子どもたちとの会話の中で、リズムや抑揚をできるだけ大事にして話すことを強く意識していました。会話のリズムや抑揚が崩れてしまうと、子どもたちの注意がそれて会話が続かなくなってしまったからです。
会話のリズムや抑揚を最優先させると、気の利いた言葉を頭で考えている暇はありあせん。簡単な言葉でも意味のない相槌でもいいので、とにかく反射的に返答する必要がありました。今振り返ると、この習慣のおかげで自然なイントネーションが鍛えられたように思います。
外国人の日本語 ネイティブのようだと感じるのはどっち?
もし、あなたの周りで日本語を話す外国人がいたら、どちらの外国人に対して「ネイティブのような日本語」だと感じるでしょうか?
1. 普段の日常会話で日本人が使わないような難しい言葉を使い、長い文章を話す外国人。
2. 二言、三言しか言葉を交わさなかったけれど、まるで日本人のようなイントネーションやリズムで話した外国人。
1の外国人に対しては「たくさん日本語を勉強したんだろうなぁ」とは思っても、日本人相手に会話をしているような気分にはなりにくいと思います。逆に2の外国人には、思わず「まあ、日本語がお上手ですね」と言ってあげたくなることでしょう。
例え、簡単な言葉で話していても、「フランス人の会話のリズム」にのって、「フランス人のような相槌」を打ちながら話すだけで、相手に与える印象は随分変わります。実際、DALF C1の試験でも、言葉に詰まったときの「えーっと、あのー」がフランス人のようにできるとプラス評価になるんですよ。
今回はイントネーション(抑揚)についてのお話でしたが、次回は発音についてお話します。
お楽しみに!
(※)「オペア」についての詳細はこちらの記事をご覧ください。
オペア ” Au Pair ” 留学のススメ
オペア ” AU PAIR ” の基本知識を確認
執筆:マナミ