多くの人が抱える「ネイティブ・スピードについていけない」という悩みの攻略法、前回は初級編をご紹介しました。今回は中級・上級者向けの攻略法をご紹介します。
中級者向けリスニングの練習方法
中級者になると、身の回りのことはフランス語で理解したり話したりすることができるようになります。本人の実感としても「自分はフランス語が分かる」という感覚が芽生えてくることでしょう。だからこそ「パーフェクトには分からない」という状況に、フラストレーションもだんだんと強くなっていきます。
例えば私の場合、フランス語の授業で使うリスニングの課題は分かるのに、テレビ番組となるとスピードについていくことができませんでした。フランス語の授業課題以外でリスニング能力を上げるにはどうしたらいいのか?当時のフランス語の先生に相談したことがあります。そこで教えてもらったのがフランス人の日常を題材にしたコメディ「Bref」を見ることです。
「Bref」 でネイティブ・スピードを攻略
自宅学習は苦しいと長続きしませんよね?特に理解できないネイティブ・スピードの番組を聞きつづけるのは辛さを感じてしまいますが、コメディなら少し分かるだけでもおもしろいものです。フランス人のユーモアを知ることもできますし、フランス人との会話のネタにして楽しむこともできますよ。
「Bref」をおススメする 5つの理由
・早口
・シンプルな言い回しばかり
・意味の切れ目に小さな間合いが入っていて、一文が理解しやすい。
・1話が2分程度と短い
・おもしろい
私はこの「Bref」を全話聞いた後には、随分ネイティブ・スピードについていけるようになっていました。
ほかにもフランスに留学に来ている中級レベルの学生がよく見ている番組があります。Scènes de ménages や Un gars, une fille です。どちらも短いコメディの連続になっています。
上級者がさらに実力アップするには
上級者ともなれば、ほとんどの方が普段のネイティブ・スピードにはついていけることでしょう。日常的に「フランス語のテレビを見たりラジオを聞いたりする」ということも比較的楽にできるはずです。
しかし、さらなる実力アップのためにどのような番組を見ればいいのか?という点に悩む方もいらっしゃるかもしれませんね。そんな方におススメなのが ドキュメンタリー番組です。
なぜフランスのドキュメンタリー番組がおススメなの?
日本に比べてフランスのドキュメンタリー番組は数や種類が多いと感じます。「興味のあるテーマ+documentaires」と検索するだけでインターネット上には様々なドキュメンタリーが出てきます。
ドキュメンタリー番組をおススメする 5つの理由
・同じテーマのドキュメンタリーを数多く見ることで、そのテーマに関する語彙を増やすことができる。
・フランス人の視点や論点が分かるようになる。
・ドキュメンタリーの構成に慣れると、フランス人と議論するときの話の組み立て方が分かるようになる。
・リスニング能力が上がる。
・フランスやヨーロッパの事情に詳しくなれる。
特に興味のあるテーマがないという方はYouTubeでARTE documentaires や M6 documentairesと検索してみてください。「ARTE」は文化的な内容の番組が多く、「M6」は家族向けの番組が多いテレビ局です。どちらも構成がしっかりしたドキュメンタリーを数多く放映していますよ。
執筆:マナミ