外国語を学習しているとぶつかる「語彙」の壁。
一般的な仏和辞典に載っている見出し語の数はだいたい35,000語。全部覚える必要がないとは言え、ペラペラに話せるようになるには、5,000語ほどの語彙が必要と言われています。それだけの単語を一つ一つ覚えていくのは大変。一日一単語覚えたとしても13年以上かかってしまいます。
今回は、限りなくある単語をまとめて覚えられる方法をご紹介します。
語尾、接尾辞に注目する
以前に、似ている単語は「接頭辞を確認しておぼえよう」と説明をしたことがあります。今回は基になる単語の後ろについている「接尾辞」(接尾語)とよばれるものに注目していきましょう。
同じ接尾辞を持つ単語は、同じ品詞、同じ性、同じ意味(属性)になることが多く、基になる単語の意味がわかっていれば、その単語の意味を推測できます。
代表的な接尾辞を確認してみましょう。
-ble(-able / -ible / -uble)
意味:可能性、能力、性質
基になる語:動詞、外来語、新語など不特定
できる語:形容詞
mangeable(食べられる)、accessible(近づくことのできる)、soluble(水溶性の)
-bilité
意味:可能性
基になる語:動詞、外来語、新語など不特定
出来る語:女性名詞
possibilité(可能性)、sensibilité(感じやすさ)、accessibilité (近づきやすさ、権利)
-age
意味:行為、行為の結果、行為による産物 / 集合体
基になる語:動詞 / 名詞
出来る語:男性名詞
動詞から出来る語は「行為に関するもの」、名詞から出来るものは「集合体」と意味が異なるため、気を付けましょう。
[動詞が基になる語] sabotage(破壊工作、ぞんざいにすること)、affichage(掲示、貼り紙をすること)、reportage(ルポルタージュ、現地報道)
[名詞が基になる語] feuillage(葉の集合)、coquillage(貝)
-iser
意味:~化する、~にする
基になる語:形容詞、名詞
出来る語:動詞
alcooliser(アルコール化する)、s’alcooliser(アルコール中毒になる)、franciser(フランス化する、フランス風にする)
-ion(-tion / -ation / -sion / -xion)
意味:行為
基になる語:動詞
出来る語:女性名詞
diffusion(放送)、dégustation(試飲、試食)、réflexion(熟考)、imagination(想像、想像力)
など、接尾辞を覚えておくことで、「これは女性名詞だ」「これは形容詞だ」「これは可能性に関係ある言葉だ」と辞書を牽かなくても推測することができます。
他にもこんな接尾辞が
他にも、-game(結婚、交配)、-tomie(切断、切開)、-phile / philie(愛好)、-phobe / phobie(嫌悪、恐怖)、-cide(殺すこと)なんてのもあります。
手元の辞書に接尾辞一覧があれば、是非一度じっくりと眺めてみてください。他にも沢山の接尾辞があるので、「ああ、だからあの単語はこういうつづりだったのか」という発見があるかもしれません。
最後に
接尾辞のパターンをある程度把握してしまえば、基になる単語との組み合わせで、あなたの語彙力は一気にアップするはず。
一つ一つすべて調べるのは大変ですが、組み合わせを解読することで複数の意味を一気に覚えられるかもしれません。また、接尾辞と単語を組み合わせて新しい言葉を作ってみるのも面白いですね。
執筆 Daisuke