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フランス語学習をしていると、つづりも発音も似ているのに、まったく違う表現に出会うことがあります。そのつど意味を確認するけど、結局はこんがらがってどれがどれだかわからなくなる。
今回はそういう紛らわしい表現を確実に覚えるための方法を、一緒に考えていきましょう。
どの単語と混同しているのか、すべて書き出す
私たちが仏作文や仏文和訳をする時、対象となっている言葉だけを調べたり訳したりしがちです。その時は解決しても、混同しがちな別の表現が出てきたときには、また調べなおすことになります。
そういう時は、調べなおしてしまう単語をノートにすべて書き出しておいて、どの単語・表現が混同するのかを一目でわかるようにしておきましょう。
人もそれぞれ個別で覚えるのは大変
わかりやすくするために、人に置き換えて考えてみましょう。
ここに Jean-Marie、Jean-Michel、Jean-Paulの3名がいます。名前も顔も髪形も非常によく似ています。あなたがこの3名と、一日おきにそれぞれ一人ずつ自己紹介をされたとします。
その後しばらくたったある日。道ばたでばったり Jean-Michel と出会ったとき、あなたはとっさに名前が出てきますか? もしくは友達に Jean-Paul がどんな容姿だったか正確に説明することはできますか?
一度にみて、違いを確認する
上の画像の3名も、一度にみてそれぞれの違いを確認すると、
顔が縦長なのが誰だ、前髪が水平なのが誰だと、違いを認識して記憶に定着させることができますよね。
これはフランス語でも同じです。バラバラではなかなか覚えられない紛らわしい表現も、一緒に見ることでつづりや意味の違いをはっきりと認識できるようになるのです。
フランス語の表現でも確認してみよう
よく混乱を招くのが次の3つの表現。
en effet / au fait / en fait
左から順番に「オネフェ」「オフェットゥ」「オンフェットゥ」。使っている単語も発音もちょっとずつ似ていて、非常に紛らわしいですよね。
意味はそれぞれ「その通り・確かに」「ところで」「ところが実際は・実は」と全く違うのですが、なんとなく似ているような気がしてくるから不思議です。
en effet オネフェ
3つの表現の中で唯一、語尾のtを発音しない、そして fait という単語を使っていないのがこれです。肯定の返事で使うことが多いのも特徴です。
un effet は「結果、効果、効き目、印象」という意味があります。副詞の effectivement (実際に、その通り、確かに)とセットで「その結果、確かにその通りだ」と覚えておきましょう。
au fait オフェットゥ
ここで出てくる fait は動詞 faire の活用ではなく、「事柄、事実、出来事、本題」を表す男性名詞 le fait だということをまず確認しましょう。この le fait は単数形で語群の終わりに来ると「フェットゥ」と発音することが多いことも特徴です。
à + le fait で「ところで、その出来事について」というふうに覚えてみましょう。
en fait オンフェットゥ
この fait も au fait と同じ、名詞の le fait を使っていますね。
前置詞 en を伴う成句は「○○には」「○○に」と訳すことが多いので(※)、「実際『には』」と丸覚えしましょう。
※ 例)en général 一般には en principe 原則的には など
最後に
紛らわしい表現や、似通っているつづりや発音も、まとめて確認すれば少しずつ個性が見えてきます。
こんなの覚えられない!と突っぱねてしまう前に、どんな個性が隠れているのかじっくり向き合ってみると、意外な素顔が発見できるかも。一つ一つの個性を見つけてみると、覚えられなかったあの単語がもっと身近な存在になるかもしれませんね。
執筆 Daisuke