フランス語を勉強していると、同じ子音なのにあっちとこっちで発音が違ったり、子音が連続していてなんと発音するかわからないものに遭遇することがありますよね。
今回は、「連続した子音」に注目してどのように発音するか勉強していきましょう。
連続した子音にはどんなものがある?
先ずは、連続した子音にはどのようなものがあるか確認しましょう。
書いている通りに発音するもの
フランス語の連続している子音は、大きく二つに分けて「書いている通りに発音するもの」「発音がかわるもの」があります。また、同じつづりでも、後ろにくる母音によって発音が変わるものもあります。
フランス語の子音は、基本的には書いている通りに発音します。st / sp / tr などはストゥ、スプ、トゥルのように読みます。
※この記事では、便宜上発音をカタカナで表記していますが、実際には sutu / supu / turu のように母音は入りませんので、ご注意ください。
発音が変わるもの
cc / sc / ss / ch / gn / ph / rh / th
発音が変わるもののうち、㏄ / sc は後ろにくる母音によって二通りの発音に分かれます。また、ch / gn / ph / rh / th は複合子音とよばれ、この組み合わせになると別の発音になりますので、覚えておきましょう。
発音が変わるものを確認しよう
では、発音が変わるものを順番に確認していきましょう。
cc [k] [ks]
cc は後ろにくる母音によって、「ク」「クス」の二通りの発音に分かれます。
a / o / u が後ろにくると、[k] クと発音します。
occasion / accompagner / raccourcir / occupé / accueil
e / i が後ろにくると、[ks] クスと発音します。
accent / accessoire / accélérer / vaccin / occident / buccinateur
ただし、capriccio(カプリッチョ)や Fibonacci(フィボナッチ) のように外国語がそのまま定着したものや人名や地名などの固有名詞は、クスと発音しないものもあります。
sc [sk] [s]
このscもccと同じように後ろの母音によって、「スク」「ス」と発音が分れます。
a / o / u が後ろに来ると、[sk]スクと発音します。
Scandinavie / poiscaille / bosco / discour / musculation
e / i が後ろにくると、[s] スと発音します。
scénario / ascenseur / sceau / scie / science / fasciner
c は後ろに a / o / u がくると[k]、e / i がくると[s]になると覚えておきましょう。
ss [s]
通常、s は母音に挟まれると、magasin マガザンのように z の音に変わりますが、ss の場合はそのまま s の音で発音します。音が変わるわけではありませんが、s 単独の場合と混同しないように気を付けましょう。
classe / bosser / asseoir / possesseur
複合子音
複合子音は、組み合わせによって別の音になり、見た目と音が違いますので慣れておきましょう。
ch [ʃ]
s が長くなったようなこの発音記号[ʃ]は、「シュ」という音を鳴らします。
Champs-Élysées / chaud / chercher / chose / chinois / architecture / brochure
ただし、orchestre / chrom- / chron- などのようにギリシャ語が基になっている語でchを[k]と発音するものもあります。
gn [ɲ]
この、nの左側が下に伸びたような発音記号は、「ニュ」という発音をします。ラテン語を起源とするイタリア語も、同じように gn をニュと発音します。
montagne / mignon / champagne / agneau / grignon
しかし、diagnostic / stagnation のような専門用語ではグヌと発音するものもあります。
ph [f]
ph は英語と同じように[f]フの音で発音します。摩擦音をしっかりと鳴らして発音しましょう。
éléphant / téléphone
th [t]
英語に慣れている私たちは、舌を挟む[θ]と発音してしまいがちですが、フランス語は完全に[t]トゥの音で発音します。h は無視しましょう。
thé / thaï / théâtre / menthe
最後に
フランス語は基本的には規則通りに発音するので、一度規則を覚えてしまえば(例外を除いて)すべて発音することができます。
日本語には馴染みのない「子音の連続」ですが、規則を覚えて上手に発音できるようになりましょう。
執筆 Daisuke