フランス来年度教育予算10億ユーロ増案も、政府は高校生のデモ鎮静に苦慮

2026.10.02

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2026年10月2日(金)、フランス政府は1日に始まった来年度予算審議で、すでに教育予算の軌道修正を強いられています。先月29日から始まったリセ(lycée : 高校)の学生による学校封鎖やデモはさらに全国400校に拡大、一部で暴徒化や学校への放火が発生し、政府は鎮静に苦慮しています。膨大な財政赤字の削減を強いられるなか、政府は早々に高等技術者養成学校(STS)の年間登録料の導入を撤回、教育予算10憶ユーロの上乗せを発表、今後、学生への住宅補助(APL)改正などが争点となります。

 

フランス教育予算、学生数減も予算大幅増

54億ユーロの財政赤字削減を強いられる政府は、これまで無料だった公立高校の高等技術者養成課程(STS : Section de technicien supérieur)の登録料年間178ユーロ(約31,700円/1ユーロ=約178円)およびグランゼコール準備課程(CPGE : Classes préparatoires aux grandes écoles)の270ユーロ(約48,000円)導入を、審議開始からわずか数時間で撤回しました。

高等技術者養成課程とは、高校卒業資格であるバカロレアを取得後、2年間で特定の職業に必要な知識や技術を身に着ける高等教育課程で、ここでBTS(Brevet de technicien supérieur)と呼ばれる高等技術者免状を取得します。就職を意識した、実践的な教育をおこないます。

グランゼコール準備課程は、リセ内に設置されたエリート養成校「グランゼコール」の入学準備学級のことです。

政府が今回登録料の有料化を提案した理由は、公立大学の登録料が修士課程で178ユーロ、大学院で270ユーロとすでに有料であることです。

 

大学生への住宅補助、親の所得で支給に制限か?

政府はまた、大学生への住宅補助、APL(Aides personnalisées au logement)の改定も予算案に盛り込んでいます。

現在この住宅補助は、学生自身の所得をもとに計算し、親が裕福な場合でも支給されています。

一方、フランスの所得税は世帯への課税となっており、税務上の世帯に学生の子供を扶養家族として合算することができ、税務上のメリットを得ることができます。

つまり、親は税制上2つの優遇を受けていることになります。

これについて政府は、学生の子供の住宅補助と、その学生を税務世帯に残すことによる税金の優遇を、裕福な家庭については「同時に利用できなくなる」方針を打ち出しています。

この案が可決されると、裕福な家庭の親はAPLか節税のどちらかを選ぶことになります。

地元メディアは、家賃を含め物価が高騰する中、この学生向け住宅補助金に触れるのは「高リスク」と報道しています。

マクロン大統領は2017年の就任直後、この補助金額を一律5ユーロ(約890円)引き下げたことで波紋を呼びました。

ちなみにAPLは上限が決まっており、住居のある地域、家賃、学生の収入で計算されますが、月額320ユーロ(約57,000円)を超えることは稀だと言われています。

 

少子化で学生数減も、2027年の教育予算10億ユーロ上乗せ

補助金削減を狙う一方、政府は来年度の公教育予算案に10憶ユーロ(約1兆7,734億円)上乗せした640億ユーロ(約11兆3,490億円)を盛り込み、新規教員の採用、学校職員の増員、障害児教育の強化や教員研修生の就業に当てると発表しています。

しかしながら、高校生たちの怒りを鎮静し、追従する大学生らの要求に見合うかどうかは不明、エドワール・ジェフレー(Édouard Geffray)教育相自身も「学校というものは、エクセルの表ではない」と述べています。

出典:FranceInfo

執筆:マダム・カトウ

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