2026年2月17日(火)、昨年からのアメリカおよび中国による高関税で、輸出が激減するフランスワイン業界は、これからまだまだ伸びしろのあるアフリカやインドなど、長い目でみた市場開拓に乗り出しました。
ワイン、蒸留酒の輸出、3年で17%減、もう頼れないアメリカ市場
パリで15日より開催されているワインの見本市、「ワイン・パリ」(Wine Paris)で、フランスワイン蒸留酒輸出連盟(FEVS)が発表したところによると、フランスからのワイン及び蒸留酒の輸出額は、前年比で2023年(-5.9%)、2024年(-4%)、特に2025年はマイナス8%、2022年の172憶ユーロ(約3兆1,177億円/1ユーロ=184円)からわずか三年間で143憶ユーロ(約2兆5,920億円)にまで落ち込んでいます。
米中の地政学的リスク
昨年、トランプ大統領はフランスワイン、コニャックなどの蒸留酒に200%の関税をかけると発表、最終的に15%の上乗せで落ち着いたものの、アメリカ向けの輸出は21%も減少しました。
アメリカに次ぐ大きな輸出先である中国も、政府が「ダンピング禁止令」を発令したことから大幅な末端価格の上昇で、2025年1年で7億6,700万ユーロ(約1,390憶円)も減っています。
ドル安ユーロ高がさらなる足かせ
フランス独立系ワイン生産者連盟(Vignerons indépendants de France)のジャン=マリ・ファーブル(Jean-Marie Fabre)代表は地元メディアの取材に答え、これらの関税に加え、ユーロ高による為替の上昇分もそのまま消費者価格に転嫁されるため、アメリカの消費者にとっては価格が35%も値上がりしたことになり、当然ながら需要は大幅に減少していると述べています。
昨年からの落ち込みにより、最も輸出量の多いアメリカおよび中国市場への依存は、政治的理由で高リスクであることが露呈しました。
そこでフランス醸造酒ワイン業界は、新規開拓に本腰をいれています。
南アフリカ、インドに期待
前年比で22%増、金額にして1億8200万ユーロ(約330憶円)と、急速に伸びてきた南アフリカ市場に期待が高まっています。
フランスと同国は新たな貿易協定を結び、その結果ワインや蒸留酒への関税がこれまでの120%から75%に下げられ、さらに7年後には20%となることが決まっています。
オーシャンブルーのインド
本日最終日の見本市ワイン・パリに出展するワイン醸造所のスタンドには、インドの輸入業者のバイヤーたちがたくさん集まっています。
ワインが一般的にまだ普及していないインドの若い業者たちは、興味津々でさまざまなワインやコニャックなどを試飲しています。
ワイン通の多いオーストラリア
世界4位のワインの産地であるオーストラリアも、まだまだ伸びしろのある市場として注目されています。ワインに詳しい消費者が多いこの国では、アメリカに代わる高級ワインの輸出先として期待されますが、量ではアメリカには到底及ばないのが現状です。
どうなる?2026年のフランスワイン業界
新規開拓市場からの輸入が増えたとしても、現状では低迷するワイン業界に「奇跡」は起こりそうにありません。
先述のファーブル氏は、2025年より悪くなることはないと予測しています。
買い控えのアメリカ、そろそろ再開か?
理由の一つとして、輸入がストップしていたアメリカの輸入業者も「輸入を再開したがっている」ことです。彼らは、2024年末にトランプ関税を警戒して、大幅に在庫を積んでいました。そのため2025年は新たな購入を控えていたのです。しかしながら、その在庫もそろそろ底をつきつつあるため、今後新規の注文がはいると見られています。
また、中国も含め、今後関税緩和が施行されると一気に輸入が増える可能性もなきにしもあらず、とのことで今後の動向が注目されます。
執筆:マダム・カトウ
(出典元:BFMTV)












