ボジョレーヌーボー2025解禁 今年は当たり年

2025.11.21

2025年11月21日(金)、フランス冬の風物詩、ボジョレーヌーボーが解禁になりました。毎年11月の第三木曜日に解禁されるヌーボー、今年の出来は「すばらしい」との評判です。生産量は限られ、売り切れ御免のため、飲みたい方はお早めに。

 

「素晴らしい出来」、今年のボジョレーヌーボー

インター・ボジョレー協会の会長で自らも生産者のジャン=マルク・ラフォン(Jean-Marc Lafont)氏は、今年のヌーボーの出来について「果実味がぎゅっと詰まった、ふくよかな味。口当たりがよく、バランスが良い格別な出来」と絶賛しています。

通常は室温で飲む伝統的な製法の赤ワインと違い、生産されてから6週間以内に飲む「若い」ワインであるヌーボーは、11~12℃ぐらいに冷やすとおいしさが増します。

ヌーボーは「フルーティー、軽い」ワインとして、サラミやソーセージ、ヤギの生チーズ、冬のグルメの一つ生牡蠣や鶏肉にも合います。

 

今年のヌーボー生産量、例年の70%、猛暑や悪天候で

出来は「最高」になった今年のヌーボーですが、生産量は過去数年平均の3割減の375,000ヘクトリットル(hl)と、例年の500,000ヘクトリットルを大幅に下回りました。

今年の生産本数は約1,400万本と昨年並みですが、2018年の2,200万本と比べると40%も減っています。

但し、フランス国内消費量については、緩やかに減少しているものの安定しています。

2018年に販売された約15万ヘクトリットルのうち半分の85,000ヘクトリットルはフランス国内に出荷されました。

そして、生産量がこの年の半分程度だった2024年の国内出荷量は、67,000ヘクトリットルと6年前の約20%減にとどまっており、販売量激減の原因は輸出量の減少にあります。

 

ボジョレーヌーボー輸出不振、「最大の輸入国」日本向けが激減のワケ

世界で最もボジョレーヌーボーの輸入量が多い日本ですが、近年減少が続き、2018年の39,750ヘクトリットルと比較すると、2024年は14,350ヘクトリットルと35%も落ち込んでいます。

それでも2位のアメリカより7,550ヘクトリットルも上回っています。

日本への輸出量が多いことについて、インター・ボジョレー協会は、「フランスではあまり良いワインではないと見られがちのボジョレーヌーボーですが、日本では良いワインと認識されています」と説明しています。

日本へのヌーボー輸出、あえて減らした

ボジョレーヌーボーのお得意様である日本への輸出大幅減、実は「意図的なもの」だとインター・ボジョレー協会は説明しています。

ヌーボーは1年間でたった6週間しか飲めないワインですが、このワインのおかげで知名度を上げた「ボジョレー」ブランドを強みに、他の12の「AOC(原産地統制名称)」ワインの日本市場への販売を強化しているのです。

 

フランス国内では、みんなで集まるきっかけに

世界中で飲まれているボジョレーヌーボー、とはいえやはりフランス国内で最も消費されています。

20日(木)に解禁されてからこの週末にかけて、フランス各地でヌーボーのイベントが行われています。

当たり年の今年は、卸業者や醸造所ではすでに前日までの予約で売り切れているこのワイン、巷では7.5ユーロ(約1,350円/1ユーロ=180円)~10ユーロ(約1800円)前後で販売されています。

カフェやレストランでも「ボジョレーヌーボー入荷しました」(”Beaujolais nouveau est arrivé”)と表示している店があります。

フランスでは、この機会に友人でカフェに繰り出したり、飲み会を開いて今年の出来についてうんちくを垂れるなど、冬のどんよりした天気の中、集まってワイワイやる口実の一つになっています。

ちなみに、店で飲む場合は、解禁日から1週間もすると、おおむね「もうない」といわれます。このワイン、未開封でも長く保存しないですぐに飲むのが基本です。

執筆;マダム・カトウ

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