2025年9月24日(水)、倹約家、悪く言えば「ケチ」と自他ともに認めるフランス人、実は最近の調査でレストランのチップでは欧州内でも「気前のいい」部類に入ります。食へのこだわりか、それとも習慣なのでしょうか?
フランス人のレストランチップ 4.7ユーロで欧州2位
レストランやショップの決済システム会社、ライトハウス(Lighthouse)が発表した調査結果によると、フランスにおけるレストランでのカード支払い時の平均チップ額は4.7ユーロ(約813円/1ユーロ約173円)で、これは欧州各国の中ではスイスに次いで2位となっています。
チップ、2年間で金額と頻度の両方が大幅増
フランスでは過去2年間で、レストランでの支払い合計額に上乗せられたチップ額は12%、チップを置く頻度は170%も増えています。
今回の調査では、この傾向が顕著に表れているのはパリだということも明らかになっています。
一回のチップ額が最も多いのは、当然ミシュランの星付きレストランに代表される高級レストランで、大体1回につき20ユーロ(約3,460円)~40ユーロ(約6,920円)となっています。
高級レストランの数が多いパリでは単価も高く、その分チップの額も高いわけですが、フランス人のみならず富裕層の観光客も多いことが理由に挙げられます。
一位のスイスですが、実はチップ平均額はフランスをわずかに上回る程度です。
しかしながら、富裕層が集まるレマン(Léman)湖周辺のレストランの平均チップ額は、フランスのそれを5ユーロ(約865円)も上回っています。
チップの額 税制と関係あり?
フランスのレストランで支払われるチップの額が多い理由として、現在チップが非課税でウェイターやウェイトレス、バーテンダーなどサービススタッフの現金による追加収入になっていることも挙げられます。
前バイル首相は、財政赤字の削減の一環としてチップの非課税という優遇策を見直す、と発表していました。そのため、来年以降の税制によっては、チップの額が減る可能性もあります。
チップ額が最低なイギリスとドイツ
欧州の中でイギリスはチップ額が最も低い国の一つになっていますが、その要因として「精神的なもの」が挙げられます。
イギリスではチップの額が勘定書に反映されます。
そのため、サービスを受けたスタッフに渡すというよりも、店の収入になるのではないか?と思われてしまい、「気前よくあげよう」という気持ちが薄れている可能性があります。
ドイツは、チップを払う回数は非常に多いものの、一回にあげる額が低いのが特徴です。
アメリカと違い、欧州では「良いサービスにチップを渡す」のが一般的ですが、ライトハウス社の調査で、チップの額はその国の税制や文化に左右されるものだという事がわかります。
執筆:マダム・カトウ