1999年からワーキングホリデー制度(以下ワーホリ)を通して、フランスは海外の若者を受け入れています。ちなみに日本からの受け入れ定員枠は、毎年1,500人です。そこで今回は、ワーホリ体験者の生のエピソード、さらにワーホリの制度や魅力についても紹介します。
ワーホリってどんな制度?
ワーホリは旅行や留学と違って、参加者が滞在する国の文化や生活様式を体験し、現地の人々との交流を通じてお互いの相互理解を深めることが目的です。言葉の不安、仕事や住居探しなどは、ネットをフル活用すればハードルは高くないそうです。
東京のフランス大使館でビザの申請をしますが、申請日の予約は1カ月ほど余裕をもって取ることをお勧めします。申請した後のビザ発給は1週間ほどで手元に届くそうですが、「申請の予約は時間がかかる」とワーホリ体験者からのアドバイスがありました。
ワーホリのビザ申請条件
-申請時に満18歳以上31歳未満である
-フランスを知るための渡航で働く意思がある
-過去にフランスワーホリのビザを申請していない
-子どもは同伴不可
…などの条件が挙げられますので、留意しましょう。
ワーホリ経験者の体験エピソード
フランス企業で仕事体験したKさん
Kさんは、オーストラリアのワーホリ中に出会ったフランス人の彼と一緒の時間を過ごすうちに、フランスの生活も知りたいという興味が芽生えました。そして、ワーホリ制度を利用して次はフランスにも1年間滞在することになったのです。
彼女の場合は一カ所所滞在型で、仕事は観光業のホテルを選びました。フランスの大手ホテルグループで職を得た彼女は、他の国からきたワーホリの若者とフランス人とのチームでの仕事だったそうです。
フランス語があまりできない状態でのスタートだったようですが、仕事で日々多くのお客さんと接するうちに日常会話は理解して話せるレベルになったそうです。
プライベートでは、彼の家族を通してフランス人のコミュニケーション方法を身につけました。頻繁に家族や兄弟が週末に集って食事やアペリティフなどの時間を過ごしたり、家族のグループラインで意見交換したりと、活発なコミュニケーションスタイルは興味深かったようです。
滞在中は、日本のご家族の着物の生地を使ってアクセサリーや小物を作るハンドメイドにも挑戦。イベントで出店販売も経験し、そこで多くのフランス人のお客さんと接して購入してもらえたのが楽しくて嬉しかったそうです。
1年のフランスワーホリ生活でフランス語とフランス生活の理解度を深めたKさんは、再びフランスに来る準備を進めています。
フランス人家庭で文化交流をするAさん
Aさんは調理学校の学生時代、予定していたフランス留学がコロナの影響で中止になってしまいました。そこで、学校卒業後はパティシエとして数年仕事をしたのちに、ワーホリでフランス行きを決めました。
お菓子が専門ですので、最初はパリで、前から興味のあった有名パティスリーに幾つも訪問して現地の味を確かめるリサーチからスタート。その後、フランスの地方に移住するために準備に取り掛かりました。
そのとき利用したのは、労働と滞在の交換を目的とした workaway というマッチングサイトです。登録は有料ですがホストとマッチングできれば、基本的に家の雑用を少し手伝う代わりに宿泊費と食費は無料で提供されるシステムです。
彼女を受け入れてくれたのは中学生と高校生の子供がいる4人家族で、コミュニケーションは英語を中心にフランス語。滞在3カ月がたった頃から、フランス語の単語を以前より聞き取れるようになり会話の内容の理解度も上がりました。
親日家のホストファミリーに、時々作る日本食が喜ばれ、パティシエのAさんが作るイチゴのショートケーキは好評で何度もリクエストされるほどの人気ぶりだったそう。
また、ステイ先の家族は、週末になるとAさんをお出かけに積極的に連れてってくれるので、毎回おもしろい経験ができたとのこと。特にパラグライダー体験、豚の丸焼きパーティーなどは特別な思い出になったようです。
休日には家族や友人とゆっくり時間をかけて食事をして、踊り、歌い、おしゃべりを楽しみ、自分の趣味や目的に向かってアクティブに活動するホストファミリーの姿にも刺激を受けたそうです。
まとめ
ネットで情報は簡単に得られる時代ですが、現地でのコミュニケーションを身を持って体験することは視野を広げるきっかけになります。皆さん、いろいろなスタイルでフランス滞在を満喫されていますし、ワーホリ同士で現地での情報交換も盛んなようです。旅行や留学とは違った形のフランス滞在のワーホリ、利用できるチャンスがある方は是非チャレンジしてみてくださいね。
執筆 YUKO