皆さんは、フランス人のイメージの1つとして「アムール (amour) の国フランス」というものがあるのではないでしょうか。フランスでは、公園やカフェで仲良しカップルをよく目にします。耳元で囁きあったり、抱き合ったりと2人の世界を公衆の場でアピールしているのかと思うほどです。今回は、愛情表現が豊かなフランス人の恋愛事情についてレポートします。
恋愛大国のイメージが浸透しているのはなぜ?
アムール(amour) やジュテーム (Je t’aime) という言葉をフランス語を勉強していない方も聞いたことがあるのではないでしょうか。フランス語のアムールは「愛、愛情」という意味で使われている言葉です。「ひと時の恋」の場合はどちらかというとアヴァンチュール(aventure) という風に表現する場合が多いです。
フランス人は意思表示をはっきりしている方が多く、自然と愛情表現も豊かです。態度と言葉でアピールすることが上手なフランス人達が、恋愛が盛んな国フランスのイメージを作っているのかもしれませんね。
フランス人の恋愛事情
実際にフランスに住んでいると、カップルでいるのが当たり前という風潮を感じます。配偶者の仕事関係の会食にカップルで出席したり、お付き合いをしている場合でもお誕生日会などの集まりにカップルで参加することもあります。
そして、小さい頃から意思表示をきちんとする教育環境に育った彼らにとって、愛情表現をするのは自然な事です。例えば、親が子供に対して「私の愛しい子 (mon amour)」と言ったり、愛という言葉が生活に溶け込んでいます。
また、フランス人から「出会いがない。」という話をあまり聞きません。サークルや友達の紹介などで知り合った人と、少しでも気が合えば付き合ってみるという気軽な気持でスタートしています。そこには「一人では寂しい。」という思いがあり、誰かと分かち合いたい気持ちがあるのかもしれませんね。
恋はバラ色ばかりじゃない?恋愛の現実
出会いの場でパートナーを見つけたからといって、いつもバラ色とは限りません。「一緒にいて楽しいけれど、愛しているかといわれると違う。」など心の葛藤を耳にすることもありますし、気持ちが冷めて離婚する話もかなり身近に聞いたりします。面白いのは、離婚報告の時、女性の方は軽やかな表情なのに、男性は辛そうな感じの場合が多いです。女性の方が気持ちの切り替えが早いのでしょうね。
大人の恋愛は特に、当人同士だけではなく子供や家族なども関わってきます。子連れ同志の再婚をこちらではファミーユ レコンポゼ (famille recomposée) と呼び、家族の1つの形として市民権を得ているように感じます。家族が増えたり、二家族が一緒に暮らしたりしますが、フランスの子供達は順応性があるなと感心することも…。また、フランスでは婚姻制度にとらわれないカップルも多いです。
まとめ
フランス人はさらりと「愛は大切」という言葉を口にします。「一人でいるなんてつまらない!」と言う彼らにとっては、愛情を持てるパートナーと過ごすことは当たり前なのです。恋愛は時に傷つくことがあっても人生を豊かにしてくれるものなのでしょうね。
執筆 YUKO