本日は、パリから電車で1時間半ほどのフランスの北東部にある美しい都市、Nancy(ナンシー)をご紹介します。
世界遺産の華麗な広場 La Place Stanislas
ナンシーの街の中心に、ユネスコ世界遺産にも登録されている美しい La Place Stanislas(スタニスラス広場)があります。入り口には、金と黒のコントラストが素敵なきらびやかな装飾がついた門があり、ナンシー市庁舎やオペラ座、美術館などの素敵な建物や大きな噴水に取り囲まれた、とても美しい広場です。18世紀バロック建築の最高峰と言われるだけあって、まるでタイムスリップしたような雰囲気があります。
広場にはカフェやレストランも多くあり、その雰囲気を満喫しながら食事することができます。美しい街灯でライトアップされている広場はさらに幻想的なので、夕暮れ時や夜に訪れるのもおすすめです。
アール・ヌーヴォーの中心地だったナンシー
ナンシーは L’Art nouveau(アール・ヌーヴォー運動)の中心地としても知られています。
19世紀末に、戦争によりドイツ領となってしまったストラスブールやメッツから多くの人々や富がナンシーに流れ込み、多くの芸術家や建築家もナンシーに集いました。若手芸術家たちがナンシー派を設立し、アール・ヌーヴォーと呼ばれる草花をモチーフにした優雅な装飾工芸品や建築物を制作しました。
Musée de l’école de Nancy(ナンシー派美術館)では、エミール・ガレが制作した花瓶など多くのアール・ヌーヴォーの作品を見ることができます。また、ナンシー市内には、街のあちこちにアール・ヌーヴォー様式の建物や装飾が今も残っていて、街全体がまるで野外美術館のようです。
オルセー美術館にも作品が展示されているアール・ヌーヴォーの家具職人だったマジョレルの住居は、家全部がアール・ヌーヴォーの芸術家たちの作品で仕上げられていて、今は La villa Majorelle(マジョレルの家)として美術館となり訪れることができます。アール・ヌーヴォーファンの方は必見の施設です。
https://musee-ecole-de-nancy.nancy.fr/le-musee
https://villamajorelle-nancy.tickeasy.com/fr-FR/billetterie
クリスタルの村 バカラ村
ナンシーから南東へ50kmほど行った所には、クリスタルガラスで有名な Baccarat(バカラ)社があるバカラ村があります。ナンシー派の芸術家たちは、バカラのクリスタルガラスも使用して、美しい装飾品や工芸品を制作していました。
764年に設立されたバカラ社は、高品質なクリスタルガラス製品を今もバカラ村で生産しており、工場の横には小さなクリスタル博物館があります。ホテルやお城で使用される、ものすごく大きなシャンデリアや晩餐会に使用されたクリスタルグラス、また製品のデッサン画などを見学できます。
バカラ村にも、最初にご紹介したスタニスラス広場のすぐ近くにも、素敵なバカラのブティックがあります。割れ物なので持ち運びが大変ですが、旅の思い出にブティックでクリスタルのグラスや花瓶を持って帰るのもいいですね。
まとめ
ナンシーは日本ではまだあまり知られていない街かもしれませんが、街全体が美術館のような、散策が楽しいとても美しい街です。アール・ヌーヴォー芸術の美しさを満喫しに、ナンシーを訪れてみてください。
執筆者:YUBO