2025年2月14日(金)、フランスでローンを組んでいる家庭は全体の4割、過去35年でもっとも低い水準になっていることが明らかになっています。特に車や家の改築といった大きな買い物に利用されてきた消費ローンを組む家庭が劇的に減っています。
車の購入にリースが大流行、4時間に1台
ナタン(Nathan)さんは最近新車をリースで購入しました。
リースならメンテナンス料も入れて月々320ユーロ(約51200円/1ユーロ=約160円)、消費ローンを組んで何年間も借金をするより、3年リースの方が安上がりだからです。
パリから車で40分ほどの街ユリス(Ulis) で車販売代理店「アラミスオート」(Aramisauto)を営むヴァランタン・ブールリエ(Valentin Bourrelier)さんは、「2024年は前年比でリース購入が2倍になった」と驚いています。この店では昨年4時間に1台、リースで車を販売したことになります。
「ローンで購入」不人気の原因は?
このような傾向は車の購入に限らず、住宅、電気製品、家具、洋服など、さまざまな消費財の購入にも見られます。
フランス家庭ローン観察局(Observatoire des crédits aux ménages)の報告によると、2024年に何かしらのローンを組んでいる家庭は全体の41,9%と、1989年から現在までで最低を記録しています。
消費ローンに至っては、2020年の24.9%から2024年には19%まで低下しました。これは5年間で100万件も減少したことを意味します。
さまざまな危機で中産階級の購買力が低下、加えて昨年のフランス国民議会の解散で国民の間で政府への不信感が広がり、借金をしてまで余計なものを買ったりせず、貯金をなるべく使わない傾向が強まっています、
利子なし分割払いが普及、消費ローンよりお得
ECサイトやショップなど、「無利子で3~4回の分割払い」を提供しているところが増え、消費者が利息の高い消費ローンからシフトしていることも、ローンが減った大きな原因になっています。
1度に払わず分割にすることで、ほかの買い物に資金を使うことができるので、人気は高まる一方です。
ただし、「無利子」とはいえ、契約の中に「手数料」がひそんでいることがありますので、要注意です。
執筆:マダム・カトウ