フランスでよく話題に上がる「Bobo(ボボ)」という言葉。ある人達のことをこのように呼ぶのですが…
今回はこのBoboをご紹介します。
Boboの語源を確認しよう
先ずは、この Bobo という言葉の語源を確認しておきましょう。
Bobo は Bourgeois Bohème (ブルジョワ・ボエーム)、もしくは Bourgeois Bohémien (ブルジョワ・ボエミアン)のそれぞれ頭から2文字ずつ取った略語です。
Bourgeois
「ブルジョワ」という響きから大金持ちを連想してしまいますが、本来この「Bourgeois」というのは中産階級の人・平民・常識人という意味があり、大金持ちを意味する言葉ではありません。Petit やgrosが付くと「商人」「大富豪」という意味になります。
Bohème / Bohémien
Bohèmeは「自由奔放な」、Bohémienは「ジプシー」という意味があります。プッチーニの有名なオペラ La Bohèmeも「ボヘミアンたちの生活の情景」という本が原作で、自由奔放な人達を描いた作品です。
「中産階級の自由奔放な人」ってどんな人?
ではこの「中産階級の自由奔放な人」という意味の Bobo は一体どんな人たちのことを言うのでしょうか。
その名の通り、ある程度お金を持っていて自由気ままな人たちのことを言います。具体的には、
・新しいものが好き
・お洒落
・お洒落なお店をよく知っている
・ヨガやゼンといった東洋的なものに興味がある
・みずからの人生を楽しんでいる
といった、ポジティブなイメージがある一方、
・自分の知っている店が一番だと思っている
・一つのことに対して凄く意見を言いたがる
・やたらと注文が多い
・話したいだけ話したら「疲れた」と言う
・文句が多い
・東洋の文化は好きだけれど、知識はかなり浅い
というネガティブなイメージも非常に多く、一般的に Bobo というとこのような滑稽なイメージが強く、Bobo を題材にした多くのコメディー動画が作られています。また、Bobo の人達の多くは
・自分のことを Bobo だとは思っていない
のも特徴です。
Boboを題材にしたコメディー「Les Bobos」
Bobo はレストランやブティックなどにも使える
一般的に Bobo というと、気ままな中産階級の人達、その生活スタイルや考え方を指して言いますが、「この店は Bobo だ」ということもできます。それほど高級ではないけれど、お洒落で洗練されているスタイルのレストランやブティックが Bobo な店とよばれます。
Bobo というと、気ままな人達で時に笑いの対象となりがちですが、自分たちの人生を楽しんでいる、とても素敵な生き方をしている人達のようにも思えます。
執筆:Daisuke