2024年12月10日(金)、火災から5年が経過しほぼ再建が完了したノートルダム寺院(Notre-Dame de Paris)で7日に再開セレモニーが行われ、8日(日)から一般公開が開始されています。パリ市民はもとより世界中の人々の注目を浴びた寺院の再開にすでに多くの人が訪れています。1日あたり最大4万人の入場が可能な同寺院、再開のために用意された予約サイトにもアクセスが殺到しており、今朝は予約ページが開くのに12分の待ち時間が表示されています。
「ノートルダム・マニア」の熱狂、再開ミサに参加するためなら「屋根にも登る」
再開初日の7日は、マクロン大統領や政府高官、ウクライナのゼレンスキー大統領など海外からの要人たちを集め、再建に携わった人たちを称賛するセレモニーが開催されました。
その後一般公開が再開され、8日から15日まで毎日夕刻に寺院の再開を祝う一般参加のミサが行われます。
3日の予約開始から数分後に満席になったという8日のミサですが、この予約がとれた幸運な人たちは熱狂的なカトリックの信者だけではありません。
大聖堂で有名なランス(Reims)から来たというエルワン(Erwan)さんは、「再開のミサに参加するためならシテ島の家々の屋根にも登ったかもしれない」とその熱狂ぶりを表現しています。確かにカトリック教会で洗礼を受けていますが、定期的にミサに通う信者ではないこの学生は「火災もミステリーだし、とにかく一刻も早く見たかった」と、この日は親に内緒でパリに来ています。
トゥールーズ(Toulouse)から来たステファン(Stéphane)さんは、会社の休みがもらえるかもわからないまま、パリまでの電車を予約しました。自ら「ノートルダムマニア」と名乗る彼は、パソコン、タブレット、スマホと家にあるすべてのデバイスを用意してこの日の入場予約を手に入れ、待ちに待った入場が開始されると、まるでディズニーランドに来た子供のように、満面に笑顔を浮かべて中に入っていきました。
寺院の復活、信者に希望をあたえる
友人が修復に携わったために入場予約が早くから取れていたという、スコットランドから来たローリー(Rorie)さんは、カトリックにおける大事な柱の一つであるノートルダム寺院の復活を目の当たりにすることで、「信仰心をもてば、どんな状況にも耐えられるという希望がもてる」と語っています。
再開セレモニー:
入場予約は3日前から
ノートルダム寺院の入場見学は無料、予約なしでも入場は可能ということになっていますが、待ち時間が相当長い、もしくは待っても入場できない可能性もあることを覚悟しておいた方がよさそうです。
寺院側は、予約があっても入場にはかなりの時間がかかると発表しています。
ノートルダム寺院の入場予約ページにアクセスしてみると、12月のカレンダーだけが出てきて、直近の3日間を除きすべての日付がグレーになっていますが、これは一時的に満杯を表すが状況は変わると記載されています。
ちなみに、クリック可能な今日から3日間の日付はすべて満席となっていました。
寺院側はミサに参加したり、礼拝したい信者用の入り口を別に用意していますが、長蛇の列になるとみられています。
ちなみに巡礼者のグループは2月1日からメールにて予約を受け付けています。
来年の訪問者数、エッフェル塔、ルーブル美術館を抜くか?
寺院のサイトに、「今後数か月間はかなりの混雑が予想されます」と記載されていますが、間違いなく来年いっぱい入場訪問には大混雑が予想されます。
フランスで最も訪問者数の多いモニュメントはルーブル美術館、エッフェル塔、ベルサイユ宮殿などで毎年それぞれ600万人~700万人が訪れていますが、来年2025年はノートルダム寺院に一位の座を奪われるとみられています。
最大入場者数、ヴェルサイユ宮殿の倍
ちなみにヴェルサイユ宮殿の1日の最大入場者数は2万人ですので、ノートルダム寺院はその倍ということになります。
入場できなくても、外観だけならいつでも見れるパリのシンボルへの熱狂はしばらく続きそうです。
執筆:マダム・カトウ