2023年5月15日(月)、6月4日(日)パリのシャンゼリゼ大通り(Champs-Élysées)が巨大な「教室」に変身、1,700人の希望者を集めてフランス語の書き取り「ディクテ」(dictée)大会が行われます。
世界で最も美しい通りが「巨大な教室」に、1,700の机と椅子
この日、車両通行止になったシャンゼリゼ大通り約6,000平米の敷地内に、1,700人の「生徒」たちがフランス語の書き取りテストを受けます。
この巨大なフランス語書き取り大会は、事前登録さえすれば誰でも参加できます。
試験は3部門に分かれ、まず一般的なディクテ、次に2つの専門テーマに沿った書き取りが行われます。参加者は3部門すべてに参加することもできますし、1つだけに参加することもできます。
1つのディクテの所要時間は20分から25分で、1つの文章は3回音読されます。
誰が参加するかはまだ発表されていませんが、フランスの有名人が招待され、最初の1回の読み上げを行うようです。
ギネスブックの記録更新なるか?
実はこの珍しいイベントに、ギネスブック(Guinness Book) の審査員が来ることが決まっています。
世界で最も大人数で行われたフランス語のディクテーションの記録は、2019年にパリ郊外のスタッド・ド・フランス(Stade de France)で行われたもので、1,473人が参加しています。
非識字率、フランスで250万人
実はこのイベント、本来はギネスブックに挑戦するために行われるイベントではなく、非識字者を減らすための運動の一環なのです。
現在フランスには250万人の非識字者が存在すると国立非識字撲滅局(Agence Nationale de Lutte Contre l’Illettrisme)は発表しています。
これはフランスの学校に通った18歳から65歳のうちの7%に相当します。
非識字率の撲滅のため、シャンゼリゼ大通りが主催
今回のイベントの主催者、シャンゼリゼ大通りの商店主らが加盟するシャンゼリゼ大通り協会(comité des Champs-Élysées)は、10歳以上であれば子供から大人まで誰でも参加できるよう、無料で開催します。
ディクテの回答のチェックは、まず各自で巨大なスクリーンに映し出される解答を見ながら行います。
そして間違いが3つ以下の人の回答用紙は、審査員によって確認されます。ちなみに審査員は30人ほどで、家庭教師派遣会社アカドミア(Acadomia)社に在籍する先生たちです。
パリ在住の方、この時期にパリにおみえになる方、フランス語の腕試しに参加してみませんか?
執筆:マダム・カトウ