フランスと日本でこんなに違う漫画事情!仏語初心者におすすめのBDは?

2021.01.18

色鉛筆フランス人も漫画が大好きです!フランスでは日本語の「漫画」という言葉がそのまま使われています。しかしフランスの漫画と日本の漫画ではしっかり区別されているのです。今回は、フランスの漫画事情についてお伝えします。

 

フランスと日本の漫画の違いとは?

フランスの漫画と日本の漫画の違いについて見ていきましょう。比べてみると非常に興味深いですよ。

1.呼び方とサイズ

フランスの漫画はバンドゥ デスィネ ( bande desinée、会話ではバンデスィネと発音されることが多い)と呼ばれています。多くの人は略してベデ ( BD ) と言います。大きな特徴は、A4サイズで表紙はハードカバーが主流で、1㎝未満の薄さで中身はオールカラーとなっています。

日本の漫画は、マンガ ( manga ) とそのまま呼ばれています。日本の漫画家の作品は数多く翻訳され、フランス人にも大人気です。

小さい子でも、フランスのベデは左開きでマンガは右開きという認識で区別しているところが面白いなと感じました。フランス人との会話に出てくる「マンガ」は、ほとんどの方が日本の漫画だと認識していることが分かります

2.読み方のスタイル

私は車内で漫画を読みふける光景をフランスでは見かけたことがありません。都心部の公共の乗り物は、スリなどに気を付けなければいけないのでゆっくり漫画を読む環境ではないのでしょう。

フランスの書店の漫画コーナーでは、フランスのBDと日本の漫画が仲良く置かれています。フランスではあぐらを組んだ子供が座り読みしている光景をよく見かけます。大型書店に限りますが、店員さんも注意しません。

3.漫画家の社会的地位

フランスで漫画家をデスィナトゥール ( dessinateur ) と呼びます。プロフィール欄にはイリュストゥラトゥール ( illustrateur ) と書かれていることもあり、フランスではアーティストに近い位置づけのようです。

フランスでは日本のように週刊漫画雑誌がほとんどありません。日本のように漫画家がアシスタントを使って締め切りまでに仕上げるというより、1人で1つの作品にじっくり取り組むことができる環境です。

 

フランス語初心者におすすめのBD!

フランスのBDに興味のある方におすすめしたいのが「Dad」という、パパと4人の娘の日常を描いた作品です。主人公のパパの職業は役者なのですがあまり売れてないようで、ほぼ本業は専業主夫。4人の娘はそれぞれ個性的で皆母親が違います。

絵のタッチが優しく、フランスらしいシニカルな設定でかっこいいイクメンとはほど遠いパパの姿がコミカルに描かれています。読み進めるうちにそれぞれの母親達の謎も解き明かされて、とても面白いです。

フランス語初心者の方でも、描かれている物語が日常なので入りやすいと思います。笑いのツボも日本人にしっくりくるものが多い様に感じました。

Dadのタイトルは、英語のパパからとっています。作者は「Nob」というペンネームで活動している漫画家の方で、他にも面白い作品が幾つもあります。

「Dad」を購入するならここ

私がDadを見つけたのは、フランスでチェーン展開している本やメディア関連を扱う小売店フナック ( FNAC ) の漫画コーナーでした。新刊が出る度に目立つ場所に置かれています。他にも出版元のDupuisのサイトや、フランスのアマゾンで新品や中古品も販売しています。

 

まとめ

日本の漫画を読んで育ったフランス人はとても多いです。日本の漫画は世界に誇れるコンテンツと言えるでしょう。機会があれば是非フランスのBDを読んでみてください。また違った角度でフランス文化を知ることができると思います。

執筆 YUKO

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