最新の調査で、フランスの産業の中で航空機、宇宙船、船舶、薬品の分野が外国からの投資先として特に人気を集めていることがわかりました。
フランスの産業は投資先として欧州で人気度ナンバーワン
1月13日(月)に行われた、ロンドンを拠点として世界各国で会計や税務などのプロフェッショナルサービスを担う企業であるアーンスト・アンド・ヤング(Ernst & Young/EY)の発表によると、フランスは外国からの投資先として欧州の中で最も人気があることがわかりました。昨年と比べると若干人気は落ちていますが、それでも高い水準を保っています。
2018年のフランスでの工業用地の建設、または拡張に対する外国からの投資件数は339件(前年比+6)と、欧州で最も高い数値を記録しました。第二位はトルコで203件(前年比+2)、第三位はドイツで152件(前年比-11)、第四位はイギリスで140件(前年比-76)です。イギリスはブレグジット(Brexit、イギリスが欧州連合(EU)から離脱すること)の影響でその数を大幅に減らし、第二位から第四位に下がりました。
フランスは以前から投資先として有望
アーンスト・アンド・ヤングによると、この結果はフランスにとって偶然ではありません。フランスは2016年から他の競合国に差をつけています。2014年から2018年のフランスにおける直接投資の件数は47%上昇したのに対して、ドイツやイギリスでは7%の上昇にとどまっています。しかもこの両国は2017年から下降に転じています(-15%)。
フランスの産業の中でも特に人気がある分野は、航空機、宇宙船、船舶、製薬です。多くの外国企業がエアバス(Airbus)、フランス電力(Électricité de France/EDF)、ダノン(Danone)、サノフィ(Sanofi)などの企業に投資しています。
今後伸びると予想される分野
「今後の成長が見込まれる分野」に関する投資家を対象としたアンケート調査によると、回答が多かった分野はIT(31%)、エネルギー(28%)、グリーンテクノロジー(21%)、企業向けサービス(21%)でした。また、「フランスの未来は明るいと思うか」という質問に「はい」と答えた人は2019年には70%と、前年の77%と比べると減少しているものの、フランスの産業に対する外国からの見方は概ね好意的であると言えます。
執筆・Shunsuke