16日(水)に、フランス公衆衛生機構(l’agence sanitaire Santé publique France )がフランスのほぼ全土でインフルエンザ感染が拡大していると発表したことを受け、先週末にかけてフランスの各報道機関が一斉にインフルエンザ予防策を掲載するなど、国を挙げてインフルエンザ対策に乗り出しています。
フランスの2/3の地域で「感染流行」
16日にフランス公衆衛生機構が発表したところによると、先々週にフランス南西部のオクシタニー(Occitanie)地域圏から始まったインフルエンザの感染拡大は、8つの地域圏に広がり、全13地域圏(海外領土、海外県を除く)の内2/3の地域が「流行(épidémie)」状態に、残りの5つの地域も「準流行(pré-épidémie )」の状態になっています。
以下の地図内の赤い部分が流行、オレンジ色の部分が準流行です。
[#Grippe] Point de situation au 16/01 : 8 régions en épidémie et 5 régions en phase pré-épidémique en métropole https://t.co/p21fJ9eVGF pic.twitter.com/qpi0S9fnN7
— SantépubliqueFrance (@santeprevention) 2019年1月16日
流行状態の地域
海外領土、海外県を除くフランス全地域圏の中で、流行状態となっているのは、オ=ド=フランス(Hauts-de-France)地域圏、イル=ド=フランス(Île-de-France)地域圏(パリを含む地域)、グラン・テスト(Grand Est)地域圏、ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ(Bourgogne-Franche-Comté)地域圏、オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ(Auvergne-Rhône-Alpes)地域圏、ヌーヴェル=アキテーヌ(Nouvelle-Aquitaine)地域圏、オクシタニー地域圏、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール(Provence-Alpes-Côte d’Azur/PACA)地域圏の8つの地域です。
準流行状態の地域
残りの、フランス北西部に位置する、ノルマンディー(Normandie)地域圏、ブルターニュ(Bretagne)地域圏、ペイ・ド・ラ・ロワール(Pays de la Loire)地域圏、サントル=ヴァル・ド・ロワール(Centre-Val de Loire)地域圏の4つと、地中海のコルス(Corse)地方公共団体(コルシカ島)の合わせて5つの地域が、準流行となっています。
感染が拡大しているのはA型
感染が拡大しているのは日本と同じく、主にA型インフルエンザウィルスのH1N1亜型とH3N2亜型で、インフルエンザ患者の95パーセントがA型インフルエンザに罹患しています。
報告書によると、2,900名以上が救急車で運ばれ、その内171名が集中治療室で治療を受けるなど重篤化、9名が死亡しています。また、感染者の51パーセントが65歳以上の高齢者です。
インフルエンザ予防運動が活発化
インフルエンザの急激な感染拡大を受け、フランス公衆衛生機構を始め、報道機関などがインフルエンザの予防策を紹介し始めています。
フランス公衆衛生機構のインフルエンザ予防キャンペーン
[#Grippe] Début de l’épidémie de grippe saisonnière et lancement de la campagne “Maîtrisez les bons gestes contre les #virus de l’hiver” #HiverSansVirus
Pour plus d’infos 👉 https://t.co/6XiDna361O pic.twitter.com/aqJtku314o— SantépubliqueFrance (@santeprevention) 2019年1月15日
フランス公衆衛生機構は、4つのスポーツの動作にかけて予防策をを呼び掛けています。
・石鹸やアルコールなどを用いて、頻繁に手を洗いましょう。
・くしゃみをする時は口を肘、または手で覆いましょう。
・ティッシュは使い捨てにしましょう。
・使い捨てのマスクを使用しましょう。
報道機関も呼びかけ
各報道機関も、ワクチン接種、手洗い・うがい、部屋の換気、免疫力を高める食材の摂取などを自主的に呼びかけるなど、インフルエンザ対策に乗り出しています。
同時に、インフルエンザに罹った場合、使ったティッシュは蓋つきのゴミ箱に捨てる、マスクを着用するなど提唱し、症状が治まっても1週間から2週間は感染させてしまう恐れがあるため、対策を続けることを推奨しています。
企業がワクチン接種を提供
また、各企業もワクチン接種を自主的に行うなどの対策を始めています。ワクチンの接種は一人当たり15.16ユーロ(およそ1,892円/1ユーロ:124円計算、2018.01.21現在)かかりますが、企業内でインフルエンザが流行した場合の損失を防ぐための有用な投資である、と考える企業が増えています。
日本でもインフルエンザの感染拡大が警報レベルと報じられていますが、フランスでも非常に危険な状態が続いています。頻繁に手洗いやうがいをする、マスクを着用するなど、日頃のインフルエンザ対策が重要です。
フランス公衆衛生機構のインフルエンザ感染に関する情報はこちらから確認することができます。
執筆:Daisuke