今回は、フランス在住「外国人」の一風変わった帰郷の映画をご紹介します。
Paris à tout prix
韻を踏んだタイトルは頭に残りますね。一体どういう意味なのでしょうか?
フランスに住む外国人におすすめ
Reem Kherici 演じる Maya はパリでデザイナーとして働いています。あともうちょっとで夢の CDI (Contrat à durée indéterminée=期限が決まっていない労働契約)が取れる!というところで、まさかの滞在許可証の期限切れが発覚。故郷のモロッコへ強制帰国させられてしまいます・・・・・・しかもショーまでは残り2週間しかありません。
華やかなパリのファッション業界からモロッコの砂漠の中の実家へ、Maya はカルチャーギャップに驚かされてばかり。ハンドルを放して大声で歌うタクシー運転手、蛇をもって追いかけてくる商人、家族みんなが手で食べる料理、など。滞在許可証もない、ショーのためのドレスのアイディアも浮かばない、Maya はすっかりふさぎこんでしまいます。
それでも、家族や友人の助けを得て、モロッコの生活からインスピレーションを受けた新しいドレスをなんとか作り上げました。あとはパリに行くばかり!でもどうやって?
Pourquoi tu veux rentrer à Paris à tout prix ? (à tout prix = どうしても、絶対に)
という祖母の質問にも迷いなく答える Maya はとてもかっこいいですね。自分のやりたいことに向かって一直線の彼女を応援したくなります。
あとがき
外国人としてフランスで生活している人は共感できることも多いのではないでしょうか。どこに住んでいても私たちには祖国があって、それは切っても切れ離せないものなんですね。それも自分のアイデンティティの一部として、抱えて生きていかなければならないと私は思います。ぜひご覧になっていただきたいおすすめの映画です。
執筆 Shoko