6月はイスラムの人たちにとってラマダンの月だったのをご存知ですか? 年に一度訪れるラマダン=断食をする月です。日本ではなかなか見られない光景ですので、ご紹介したいと思います。
ラマダンってなに?
イスラム歴の太陰暦にちなみ、ラマダンの開始月は毎年変わります。おととしは8月頃、昨年は7月頃。そして今年は6月でまだ涼しい中での断食でした。ラマダン月の間、日の出から日没まで飲食を一切しないのです。
ラマダンをするのは、「お腹を空かせている貧しい人たちの気持ちを身をもって体験するため」「食べ物のありがたみを感じさせるため」です。イスラム教徒の義務の一つとされています。日中に料理をする人は味見も許されないのですよ。
日没後の食事に招かれました
ラマダンの間、仲良くしているモロッコ人の家庭に招かれて日没後の食事をいただきました。朝の4時頃からなにも口にしていないのですから、22時にまず口にするのはスープが一番!
モロッコの典型的・伝統的なスープ「ハリラ」をいただきました。トマトベースのスープで、スパイス・野菜・豆・お肉の入っていて栄養満点です。
このスープは「シュバキア」というモロッコ菓子と一緒にいただきます。スープの後は三角形の春巻き「ブリック」です。
私は朝も昼も普通に食べ、夜22時のこの時間を待つまでにもお腹が空いてたまりませんでした。彼らは明け方前から何も口にしていなくて、おまけに日中働いていたなんて、incroyableです!
楽しそうな一面も
大変なことですが、でも楽しそうな一面もあります。日が沈んだら「さあ一日の業務が終わった!」とでも言うように、家族のあるお宅ではお祭りのようにテーブルいっぱいにご馳走が並びます。友達や親戚を呼んで一緒に食事をしたり、いい交流だなと思います。
その後夜中にもう一度食事をし、日が昇る前にも食事をします。寝不足になりそうだし体にも悪そうですが、この習慣をずっとずっと繰り返してきているんですね。
パリの11区と20区にまたがるBoulevard de BellevilleやBoulevard de Ménilmontantの通り沿い。ここでは、昼過ぎ頃から家庭で作ったお菓子を売り出す女性がいたり、日没後は店の外に大きなテラスを設けて夜中まで賑わう姿が見られたり。いつもと違った光景を目にできますよ。
執筆 Saori