前回のアラブ世界研究所の常設展の紹介に引き続き、今回は特別展の紹介をします。Des trésors à porter と題して、マグレブ地域(北アフリカ)のbijoux=装飾品が特別展示されています。
ひとつひとつ手作り
(写真:Institut du monde arabeの公式HPより引用)
現地に行くと、いつもほれぼれさせられるモロッコのアクセサリーたち。手作り感があり、ひとつひとつ職人さんの手で作られているのが伝わってくるんです。
国・地域ごとに特徴が
装飾品を制作する工程やテクニックの説明から、モロッコ・アルジェリア・チュニジアの装飾品が国・地域ごとに詳しく説明されていました。一見似ているようで、国・地域ごとに特徴があるんです。 起源をさかのぼるのは難しく、最も古い記録が残っているのは12世紀。その後、19世紀にドラクロアがモロッコに滞在した際のスケッチも貴重な資料とのことです。
感心してしまうのは、その時代の装飾品の伝統を現在も受け継ぎ、変わっていないことです。親から子へと何世紀も引き継いでいるのですね。
お守りとしての役割も
装飾としてはもちろん、お守りとしても重要な役割を果たしています。形やモチーフにも意味があります。例えばチュニジアではペンダントなどに蛇のモチーフがよく使われていますが、凶眼を避ける意味を持っています。
身に着けると素敵!
それにしても大きなアクセサリーたち。イヤリングは耳が引きちぎれてしまいそうなほどです。ネックレスも肩が凝りそうですが、フランスでは夏にエキゾチックなアクセサリーを身に着ける女性を見かけます。存在感がありとても素敵なんです!
コレクターの方も多いです。昨年はピエールベルジェ・イブサンローラン財団の建物内でも、モロッコの民族衣装やアクセサリーを紹介する展示があり大好評だったんですよ。
これらの国の文化にも興味を持っていただければ嬉しいです、それではまた次回。
Des trésors à porter
2016年8月28日まで開催
INSTITUT DU MONDE ARABE
1 Rue des Fossés Saint-Bernard 75005 Paris
執筆 Saori