不定期でお届けしているDaisukeの小話シリーズ。11回目の今回は、日本人にはほぼ同じように聞こえる二つの発音が、実は全く違う意味に、いやとんでもない意味になってしまう例をご紹介します。
恐怖の言葉たちをご紹介
以前にもご紹介した「Merci beaucoup / Merci beau cul」。皆さんはもうしっかり区別して発音できるようになりましたか? 前者は「ありがとうございます」、後者は「ありがとう、美しいケツ」でしたよね。
今回ご紹介するのは、しっかりと発音を区別しないともっととんでもない間違いになってしまう、恐怖の言葉たちです。
Je mange vite. (私ははやく食べる)
この言葉を大きな声で言ってみましょう。もし、あなたの近くにいるフランス語話者が急に顔を真っ赤にして慌て始めたら、もしブーーっと吹き出したら、あなたはきっととんでもないことを口走っています。
「Je mange bite」。この文章、冠詞がついていないため文法的にはもちろん間違っているのですが、フランス語話者にはきっちりと意味が通じます。一体なんと言ってしまっているのでしょうか…?
「une bite = 男性器の非常に下品な言い方」。もうお分かりですね。もしも「早く早く早く!!Vite vite vite !! 」と言っているつもりで「Bite bite bite !!」と大声で言っていたとしたら…。
フランス語には、日本人にとっては非常に似た発音なのに、全く違う意味を表している単語が本当にたくさん存在します。日本語の同音異義語と似たようなものですね。もう一つ例をあげてみましょう。
Je veux dix euros. (私は10ユーロほしい)
なんてことない文章のように思えますが、発音が悪ければ「Je veux dix uro.」と言っているかも知れません。
このur(o) – という言葉、「尿の」という意味です。日本ではeuro を「ユーロ」と発音しますので、フランス語でもつい「ユーロ」と発音してしまいそうになりますが、どちらかというと「ウーロ」に近い発音をしなければいけません。
実際に指摘されました…
上記二つの間違い、僕が実際にフランスで友人や先生から指摘されたものです。「ダイスケ、今までずっと言おうと思っていたけど、いつもおしっこって言ってるよ」。在仏5年目にして言われた、衝撃の一言です。
発音注意の言葉がたくさん
この他にも、発音を一歩間違えるととんでもないことになってしまう言葉が、フランス語には数多く存在します。注)下品な表現も含みます。
attendre / atteindre 待つ / 到着する
boire / voir 飲む / 見る、見える
bondé / bander 超満員の / 包帯をする、勃起する
brûlé / bourrelet 焦げた / 後悔の念にさいなまれた
une élection / une érection 選挙 / 勃起
flotter / frotter 浮かぶ / こする
un vêtement / bêtement 服 / 愚かに
une moue / une mue 仏頂面 / 声変わり、脱皮
une mouche / une mousse ハエ / 苔、ムース
正しく発音したいですね
いかに発音が大切かお分かりいただけたでしょうか。もちろん、話の流れや名詞・副詞・動詞など文法の違いによって、ほとんどは問題なく会話できます。しかし時には思わぬ誤解が生じることもあるので、やはり正しく発音できたほうがいいですよね。
日本人には難しくてもしっかりとマスターして、言いたいことを正しい発音で伝えたいものです。他には一体どのようなものがあるのでしょうか?! こっそり教えてくださいね!
執筆 Daisuke