今日も皆さんと箸休めがてら、フランスの小話で盛り上がりましょう。本日のお題は…「あたし、今日ムラムラしてるの♡ Wooooooow ♡」。
…またそっちの話題!?いえいえ、僕はいたって真面目です。なぜなら…ほんのちょっとした間違いで、あなたが相手を誘惑しているような文章に変換されるからです。
「avoir」と「être」に注意!
「あれ?「avoir」を使うんだっけ、「être」を使うんだっけ?」と思うことはありませんか?
ここまで書くと「なんだ、言いたいことわかっちゃった」と思う方も多いかも知れません。しかし気をつけてください。留学を始めたばかりの人やワーキングホリデーでフランスに来てすぐの人で、気づかずにとんでもないことを言っている場合がけっこう多いのです。
「ああ、暑い」フランス語でなんて言う?
そこで簡単なお題です。「ああ、暑い」をフランス語にしてみてください。
「Ah, il fait chaud」。「Ah, j’ai chaud」。正解です。しかぁ~し、もしあなたの回答が「Ah, je suis chaud(e)」だった場合。気をつけてください。あなたはなんと…
「ああ、ムラムラする」と言っています!!もちろん、本当にムラムラしている場合に使うことは自由です(笑)。
あなたが日本人であることを知っているフランス人は、これを聞いても「ドキュン♡」となったり「え…いいの…?」となることはないでしょう。しかし「暑い」と言いたいだけなのに「ムラムラしてるわー」と言っているとすれば、やはりとても恥ずかしい間違いです。
「ムラムラしてる」と言わないために
ではなぜ「Je suis chaud(e)」がそんな表現になってしまうのか、検証していきましょう。
「avoir」を使うのはどんなとき?
フランス語の表現では「お腹が空いた」「頭が痛い」「寒い」という場合、「avoir」を使います。
- J’ai faim お腹が空いた (私は空腹を持っている)
- J’ai mal à la tête 頭が痛い(私は頭痛を持っている)
- J’ai froid 寒い(私は寒さを持っている)
その症状や温度を「持っている」と表現するのです。
「être」を使うのはどんなとき?
それに対して「être」は「自分の状態や感情を表す」時に使います。
- Je suis japonais(e) 私は日本人です
- Je suis malade 私は病気です
- Je suis occupé(e) 私は忙しい
- Je suis content(e) 私は嬉しい
では「chaud」の場合は?
では、「chaud」の違いを見てみましょう。
- J’ai chaud 私は暑さを持っている → 私は暑い
- Je suis chaud(e) 私は熱い状態です → 私はムラムラしてる、私の体がホット!ホット!
となるのです。それぞれ「周りの空気が熱くそれを持っているから暑い」、「私そのものが熱く火照っている」とイメージしてもらうとわかりやすいでしょうか。
「je suis chaud(e)」の使い方は…
たとえば街なかやバー、クラブなどでセクシーでホットな女性や男性を見た時に「Tu vois, elle est super chaude ! (おい、彼女最高にセクシーじゃね?!)」、「Regarde! il est vraiment chaud ! (ねえ見て!彼ほんとたまんない!)」といった使い方をします。
また二人でベッドで「Hmmmm, tu es vraiment chaud,e …. (ああ、すごく素敵だよ…、ああ、すごくセクシーだよ…)」と愛し合うときにも使います。
では寒い場合は?
ちなみに「je suis froid(e)」と言った場合は「私は冷たい人間です」「私は冷めた奴です」という表現になります。
正しく使ってホットに!
いかがでしたか? どちらにしても「avoir chaud」と「être chaud(e)」は似て非なるもの!! 用法・容量を守って正しくお使いください(笑)。
たかがChaud、されどChaud。正しく使ってホットな人生を送りましょう。
執筆 Daisuke